【中学生2人殺傷】「早く犯人を捕まえて」駄菓子店から子どもの姿が消えた きょうも2000人超が登校を控える 北九州市
北九州市のマクドナルドの店舗で14日夜、中学生の男女2人が男に刺され、女子生徒が死亡した事件です。犯行への怒りと悲しみが広がるなか、男は依然、逃走を続けています。
17日午前、北九州市小倉北区の斎場には、制服姿の子どもたちが次々に訪れました。
■元木寛人アナウンサー
「こちらの斎場では、亡くなった中島咲彩さんの告別式がしめやかに営まれています。」
中島咲彩さん(15)。小学生のころに抱いた夢は薬剤師でした。高校受験を間近に控え、勉強に励んでいたといいます。前夜の通夜に参列した人たちは。
■同級生
「話が面白くて、明るくて、みんなのムードメーカーみたいな。」
■卒業生の保護者
「本当につらかったです。安らかにお眠りくださいと伝えさせていただきました。」
告別式を終えた会場から、ピンクの花束が供えられた棺が車に乗せられました。中島さんは参列者に見送られ、静かに斎場を後にしました。
事件が起きたのは14日、土曜日の午後8時半ごろです。マクドナルド322徳力店を訪れていた中島さんと、同じ中学校の友人で15歳の男子生徒が突然、男に刃物のようなもので刺されました。
■児玉悠一朗記者
「捜査関係者によりますと、2人は塾帰りで店舗内で勉強をしようとしていたということです。」
2人がレジ待ちの列の最後尾に並んでいた時、男は店内に入ってきました。男はまっすぐ2人の元に向かい、無言で立て続けに刺して逃走しました。わずか30秒足らずの犯行で、2人が刺された瞬間を見ていた店員や客はいませんでした。
中島さんは腹部を刺され死亡し、男子生徒の腰の刺し傷も、致命傷になりかねないほど深いものだったといいます。
病院に運ばれる際、男子生徒は「知らない人に刺された」と話していたということです。捜査関係者によりますと、これまでに中島さんと男子生徒からトラブルの相談などはなく「通り魔的な犯行」とみられています。
また、犯人の男は軽装で、黄色いサンダルのようなものを履いているなどから、土地勘のある人物の可能性もあるとみています。
誰もが利用するファストフード店で起きた、信じがたい事件から3日がたちました。
■宮原真記者
「被害に遭った生徒の学校では、 多くの生徒が保護者の車に乗って登校しています。」
生徒2人が通う北九州市小倉南区の中学校は16日は臨時休校としていましたが、17日から再開しました。上空から警察のヘリコプターが警戒し、警察官や学校関係者が見守る中、生徒の多くは保護者同伴で登校していました。
ただ、北九州市の教育委員会によりますと、市立の小・中・高校などでは17日も、2124人が事件への不安などを理由に登校を控えたということです。
■山本竜誠記者
「今回の事件を受け、こちらの大学では、見回りの強化や数か所ある門を制限しています。」
犯人が逃げたとされる方向にある、北九州市立大学では16日から、8か所の門の半分を終日、閉めるこ
とにしました。職員などによる周辺の見回りも強化しているということです。
■大学生
「家も近いので怖いなと感じます。」
「捕まらないのがすごく不安。近いし。早くつかまってほしい。」
市民生活への影響は、これだけではありません。事件現場から600メートルほど離れた団地の中にある商店街では、事件の後、訪れる人が減ったといいます。
■徳力団地自治会長・安東吉松さん
「(客が)減っていますね。今くらいの時間だったら、どんどん買い物に来るんですけどね。」
安東さんが経営する駄菓子店からも、子どもの姿が消えました。
■安東さん
「きのうも誰も来なかった。(いつもは)中学生や小学生が30人くらい、ここでわいわいしている。早く犯人が捕まったら平和な街になると思う。」
警察はおよそ90人態勢で捜査に当たっているほか、16日からはパトロールなどのため、北九州地区でおよそ150人の警察官を増員しています。
何の罪もない、わずか15歳の少女の未来を奪った凶悪な犯行。男は現在も逃走しています。