イオン九州で働く人のアクセサリー着用がOKに 職場の「身だしなみルール」緩和の動き 髪の色を自由にしたら応募が増加 就活生の声は? 福岡
来春卒業の大学生などの就職活動が、3月1日、解禁されました。様々な業界でいま、髪の色や服装など“身だしなみルール”を見直す動きが広がっています。学生たちはどう受け止めているのでしょうか。
■鬼丸ゆりか記者
「こちらの売り場ではブラウスを着た従業員が作業しています。」
九州と山口県でスーパーなどを展開するイオン九州は、3月1日から“身だしなみルール”を緩和しました。
イオン九州ではこれまで、シャツは襟付きで黒や紺などと決められていて、結婚指輪以外のアクセサリーは禁止されていました。
しかし、新しいルールでは、TPOをわきまえた範囲で服装を自由にし、ネックレスやブレスレットなどアクセサリーもつけられるようにしました。
■イオン九州ユニオン・中隈節子さん
「国籍・性別・年齢も様々な方が働いていて、働きやすさ・多様性を認めることが一つの狙い。人材確保に向けて緩和した。働きやすいというイメージが付けばいい。」
“身だしなみルール”の緩和は、地場の大手企業でも動きがあります。
■吉村史織フィールドキャスター
「営業部のフロアに来ています。営業職というとスーツでかっちりというイメージがありますが、意外とラフな雰囲気です。」
福岡市に本社を置く西部ガスホールディングスは、去年5月から全社員の服装を自由化しました。スーツや革靴にこだわらず、臨機応変に服装を選べるようにしています。
■社員
「デザイン性のあるジャケットも着やすくなって、おしゃれを楽しむようになり毎日楽しい。そのまま友達に会いに行けるので、充実した1日を過ごせている。」
ニット姿で働く入社12年目の“先輩社員”は、服装の自由化で、ある変化があったといいます。
■西部ガス営業本部・森永祐介さん
「お客様によりカジュアルな服装も増えてきていて、こういう服装で話すと親密にコミュニケーションがとれる。仕事がやりやすくなった。」
おととし、身だしなみルールを見直した企業もあります。
■川﨑直人記者
「店内には髪色の明るい従業員の方がいます。」
ドン・キホーテでは従業員の髪色が自由です。きっかけは、店舗で働く従業員からの声でした。
髪色の規定を緩和した後、求人に対する応募が3割増えたということです。
■アルバイト
「自分が好きな格好がしたかったので、髪色が自由なところを探したらドン・キホーテを見つけたので応募した。好きなことを尊重してくれるようなところが、(職を)選ぶ上でのポイント。」
■吉村キャスター
「きょう(3月1日)から始まった就職フェアに多くの大学生が集まっています。」
学生たちは“身だしなみルール”の見直しについてどう感じているのでしょうか。
■学生
「自分を尊重してもらえていると働きやすいかなと思う。」
■学生
「自分をアピールできる場にもなるのでは。上司ともコミュニケーション取りやすくなるのではないか。」
一方でこんな意見もありました。
■学生
「私は制服があったほうがいいと思う。優柔不断で、朝(服を)決めて行くのが、そこで時間がかかるので楽かなと。」
さまざまな意見があるなか、“身だしなみルール”の見直しは今後さらに広がっていくのでしょうか。
職場の服装や身だしなみの自由化について、去年マイナビが行った調査結果では、「賛成」、「どちらかというと賛成」を合わせると84%となっています。
理由は「自分らしく働ける」「前向きな気持ちで仕事できる」「仕事の能率が上がる」などとなっています。