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「鳥町食道街」大規模火災 消火に時間要した理由は“狭い通路・トタン・木造密集地” 北九州市

2024年1月19日 18:05
「鳥町食道街」大規模火災 消火に時間要した理由は“狭い通路・トタン・木造密集地” 北九州市
「鳥町食道街」火災 消火に時間要した理由

1月3日、北九州市の「鳥町食道街」一帯を襲った大規模火災についてです。鎮火までにかかった時間は40時間以上でした。なぜ、これほどの時間を要したのか、消火活動の指揮をとった消防士が当時の状況を語りました。

■小倉北消防署 警防課長・行德泰男さん
「この火がどう広がっているのか分からないので、その実態を捉えるのが難しかった。」

こう話すのは、消火活動の指揮にあたった小倉北消防署の警防課長・行德泰男さんです。

1月3日、北九州市小倉北区の「鳥町食道街」一帯が大火に見舞われました。この火事で36店舗、約2900平方メートルが焼けました。

出火元とみられる店の関係者は、「天ぷら鍋に火をつけたままその場を離れた」という内容の話をしているということです。

今回の大規模火災では、火が消し止められるまでに約42時間もの時間を要しました。なぜ、これほどの時間がかかったのでしょうか。

■行德さん
「通路が狭いので、消防隊が活動するスペースがなかった。がれきとトタンなんですよね。トタンは金属なので、水をかけても浸透しない。ただ、がれきを撤去しないかぎりは消火がスムーズにいかないので、 その間、トタンの上から放水をして、冷却するような形。それで時間を要した。重機を使って、(がれきを)確実に動かして、 そこを消防隊が消火することで確実に火を消せるので、これが早期に確立できれば、もっと早く(鎮火)できたかもしれない。」

行德さんは、通路が狭くガレキの落下などで2次被害の恐れもあること、また、トタンが放水の邪魔をしたことが困難を要した理由の一つだといいます。

「鳥町食道街」は、長さ約60メートルの路地沿いに20店舗を超える飲食店などが立ち並んでいました。

建物のほとんどが木造で密集地となっていることも大きく影響していました。

■行德さん
「認識したのは、木造密集の建物火災の難しさですよね。一度火が入ってしまうと、 特に屋根裏とかに入ってしまうと、どうやって燃え広がっていくのか非常に難しい。」

北九州市消防局は去年10月と12月に「鳥町食道街」で防火指導を行っていましたが、未然に火災を防ぐことはできませんでした。

旦過市場一帯を襲った2度の火災と同様に木造密集地を襲った火の手、同じような火災を繰り返さないためにも早急な対策が求められます。

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