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【ストップ!詐欺被害】若者が犯罪に巻き込まれないために「闇バイトで実行犯に」「恐れずに警察に相談して」暴力団の影も 福岡

2024年11月14日 18:07
【ストップ!詐欺被害】若者が犯罪に巻き込まれないために「闇バイトで実行犯に」「恐れずに警察に相談して」暴力団の影も 福岡

学生向けの金融セミナーが開かれ、SNS型投資詐欺への注意が呼びかけられました。SNSに接する機会が多い若者が、犯罪に巻き込まれないようにするにはどうすればいいのでしょうか。

13日、福岡市城南区の中村学園大学では。

■元木寛人アナウンサー
「こちらの教室では、金融に関するセミナーが行われています。」

参加したのは、スーツ姿の短期大学部の学生およそ50人です。この「金融リテラシーセミナー」は、お金に関する知識を高めることで、学生の金融トラブルを未然に防ぐことなどを目的に、西日本シティ銀行が開いたものです。

新NISAなど投資熱が高まる中、急増しているSNS型投資詐欺についても説明が行われました。

■西日本シティ銀行 営業企画部・近藤 淳哉 調査役
「最初だけ『利益が出ました』『1万円配当です』みたいな形で渡したりするので、被害者も最初は『良かった』と思ってだまされるケースが多い。その後は中国やフィリピンに逃げてしまって姿をくらましてしまう。」

■学生
「僕もちょくちょく(怪しいメッセージなどが)来たりするのですが、すぐブロックしたり、ネットで調べて対処しています。」
「インスタグラムでそういう連絡があったのですが、ブロックしたり消したりして、あまり反応しないようにしています。先に疑ってから、自分で判断していこうかなと思いました。」

実際に、知人が投資詐欺の被害に遭ったという学生もいました。

■学生
「友達、200万円くらい損していました。3万円くらい振り込んだら5万円返ってきて、5万円振り込んだら10万円返ってきて、繰り返したら、200万円くらい振り込んだら飛んだ、みたいな。気をつけようと思います。」

警察庁によりますと、SNS型投資詐欺やロマンス詐欺の被害は、ことし9月末時点で7662件、974億3000万円となっています。そのうち、およそ6%は10代と20代で、若い世代にも被害が広まっています。

一方で、若者が加害者となり、犯罪に手を染めるケースもあります。その入り口となるのが、SNSを通じて犯罪の実行役を集める“闇バイト”です。

闇バイトをめぐっては12日、福岡県内で動きがありました。

■くまもと県民テレビ・花木瞳記者
「捜査員が道仁会の事務所に入ります。これから家宅捜索が始まります。」

熊本県警が、福岡県久留米市にある指定暴力団道仁会の事務所を家宅捜索したのです。詐欺事件などで現金や通帳などを受け取る「受け子」や現金を引き出す「出し子」を、SNSで募集したとして、職業安定法違反の疑いで、道仁会系組幹部の西村達哉容疑者(27)が逮捕されています。西村容疑者は、闇バイトを勧誘する「リクルーター」グループのリーダー役だったとみられています。

“闇バイト”に暴力団の組幹部が関与していたことについて、工藤会の頂上作戦などを指揮した福岡県警OBの尾上芳信元暴力団対策部長は、末端の暴力団組織が闇バイトでカネを集めるために募集しているのではと分析します。

■尾上芳信 元 福岡県警 暴力団対策部長
「27才という若さから考えて、おそらく3次団体、4次団体の、少人数しかいない組織の1幹部ということが言えるのではないか。」

最近、各地で起きている闇バイトをめぐる事件については。

■尾上 元暴力団対策部長
「最近では末端の組も、しのぎがだんだんと厳しくなって、闇バイトで募集して手っ取り早く収益が上げられる、しのぎができるということで、強盗あるいは強盗殺人にまで発展してしまったのかなと思っています。」

その上で、尾上元暴力団対策部長は、若者が闇バイトに加担して犯罪に関わることについて、自分のこれからの人生を考えて行動してほしいと訴えます。

■尾上 元暴力団対策部長
「闇バイトの募集に応じている若者は、ある一定程度、お金に困って、安易に短時間でお金が稼げると募集に応じている。ふたを開けてみれば強盗事件の実行犯にさせられて、場合によっては強盗殺人にも発展している事件もある。身分確認をされて免許証やマイナンバーを取得されたから断り切れなかったということをよく耳にしますが、恐れずに、将来の自分の末路をよく考えて警察に相談をしてもらいたいと思っています。」

SNSが普及したことで、手元のスマートフォンをタップすることで誰もが簡単に犯罪とつながる恐れがあります。犯罪に巻き込まれないために、一人一人が日頃から警戒していく必要がありそうです。

最終更新日:2024年11月14日 18:07