「無視されてつらかった」いじめ調査で第三者委員会がようやく初会合 高校生の母は「真実を知りたい」
ことし5月、福岡市の私立高校に通う女子生徒がいじめを示唆する遺書を残して自殺した問題です。遺族が19日午後、会見を行い、学校側が設置した第三者委員会が第1回会合を開いたことについて評価する一方、娘を亡くした無念さは消えないと涙ながらに話しました。
■母親
「娘に会いたい気持ちがどんどん強くなって、何で娘のつらい気持ちに気がつかなかったんだろうという自責の念が、日がたつにつれてどんどん強くなっていて、娘には申し訳ない気持ちでいっぱいです。」
この問題はことし5月、福岡市の私立高校2年の女子生徒が「無視されてつらかった」など、いじめがあったことをうかがわせる遺書を残して自殺したものです。
学校側はいじめの調査委員会を立ち上げましたが、当初、いじめについて特別な調査はしないまま、生徒に対し定期的に行っているアンケートの結果と、生徒の心のケアを目的としたカウンセリングをもとに「いじめはなかった」と結論づけていました。
しかし、ことし9月、報道で自殺が明らかになってから態度を一変させ、第三者委員会の設置を決めていました。学校側は、事案が報道されるまで、生徒の自殺について県への報告も怠っていました。
FBSの取材に対し自殺の報告については「失念していた」とし、当初、いじめについての詳細な調査を行わなかった点については「今いる生徒を守らないといけないので、生徒に負荷のかかる調査を避けたかった」と話しています。
■母親
「(第三者委員会開催の理由は)『県からの指導が入ったから』とおっしゃったので、学校が自ら調査をする意思ではないと分かったので、何も変わっていないんだと残念に感じました。学校に対する信頼は正直、ないままです。」
17日、学校側が第1回の第三者委員会会合を開いたことについて、母親は一定の前進と捉える一方で、改めて今の心境を話しました。
■母親
「第1回の委員会が開催されたことは、やっとスタート地点に立てた思い。娘にその日にお墓に行って今からやっと始まったよと報告してきた。娘がなぜ自死に至らなければならなかったのか真実を知りたい。」
今回の事案の経緯について改めて見ていきます。
ことし5月、女子生徒が残した遺書には「無視されてつらかった」などいじめを疑わせる内容が書かれていました。
学校は特別な調査をせず「いじめはなかった」と結論づけ、6月に遺族に説明しています。
この説明に対し、遺族は遺書の存在を明らかにした上で改めて、生徒たちに詳細な調査をするよう要望してきましたが、学校側は「できることはやった」として、追加調査については否定的な姿勢を見せてきました。
ただ、ことし9月、女子生徒の自殺が報道されると学校の対応が変わります。
本来、速やかに県に提出すべき「自殺」と「いじめの重大事態の発生」報告書が出され、第三者委員会の設置が決まりました。ここからようやく、いじめの有無についての調査が始まることになりました。