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「食の宝庫」を支えるのは“寒暖差” 会津坂下町の魅力

2024年8月12日 19:16
「食の宝庫」を支えるのは“寒暖差” 会津坂下町の魅力

会津坂下町は、農作物の生産が盛んな町です。なぜこうも農業に適した町なのか。豊かな食がこの町から生まれるのは大自然がもたらす恵みと、この町で生きる人々の工夫があったんです。

会津盆地の西部に位置する会津坂下町。目を見張るのは、町一面に広がったこの田園風景です。県内有数の米どころとして、その生産はもちろん、1年を通してたくさんの野菜が収穫できる会津坂下町は、まさに食の宝庫。豊かな食がなぜこうも町で育まれるのか。

■野尻英恵アナウンサー
「こんにちは~お願いします。育ててるのはきゅうりですか?」

町出身のきゅうり農家、佐藤裕司さん(31)。この時期にスーパーなどに並ぶきゅうり「夏秋きゅうり」を育てています。ここ、会津坂下町はその生産が盛んで国の指定産地にもなっているほどです。

佐藤さん「ちょうど食べごろのきゅうりがあるので」
野尻「わぁまっすぐで!見てください、びっくりするくらい棘というか毛がぴんっとなっている。新鮮な証拠ですね」
野尻「いただいてみます。ん~かりっかり。みずみずしい。」
佐藤さん「水。きゅうりは水分が大切なので、水分をきらさないように毎日たっぷり天候によって水の量を微調整しつつやっている」

多い時には、なんと1日200キロのきゅうりを地元のスーパーなどに出荷しているんだとか。そんな佐藤さん。一度は、進学のために関東で生活し、都内の飲食店に就職したこともありましたが、食でふるさとを盛り上げたいと、2年前にこの場所で農業を始めました。農家になって3年目。この町は農業をするのに最適な場所だと感じています。

野尻「会津坂下町で農業をすることのメリットってなんですか?」
佐藤さん「ここのきゅうりは井戸水を使うが、地下水も豊富で、近くに1級河川の阿賀川が流れていて、水の質も良い」
野尻「自然からの恵みがたくさんあるんですね」

夏は、盆地ならではの厳しい暑さですが、1日のなかに寒暖差もあり、そのうえ、豪雪地帯。厳しい寒さの冬は、雪がどっしり積もります。そして…雪解け水は、やがて地下や阿賀川へと流れ。豊富な水を恵んでくれるのです。

■佐藤裕司さん
「いろんな農作物を作りやすい土地柄なのかなと思います」「おいしい物を作ることによって、地元の人だけではなくて県外の人、自分がもともといた東京の人に、福島の魅力、おいしいものをもっと知ってもらいたい」

この自然環境の良さに裏打ちされた「食の宝庫・会津坂下町」。そんな食材を、もっとおいしく食べてもらおうと取り組んでいるのが、地元の飲食店です。町内にある「農家レストラン・ファットリアこもと」。

「失礼します、オリーブオイルの冷かけ蕎麦になります」「えっ!おそばだけとパスタみたい」

会津坂下町を代表するグルメの1つ「そば」。でも、オリーブオイルに…トマト…。変わった組み合わせですね。

■ファットリアこもと 五十嵐正康さん
「自分たちが食べてみておいしい、それが第一なんです。そうはいっても客に喜んでもらるかなというところもあって、その辺は試行錯誤で」

おいしい食材を、楽しんで味わって欲しい。そんな思いと工夫が詰まっています。

■野尻英恵アナウンサー
「ベースは一般的なつゆなんですが、オリーブオイルがかかっていることで、まろやかな口当たり。素材が素直な味わいだから、洋風でも和風でもあう」

こちらのレストラン。そばはもちろん、トマトやレタスといった野菜は、お店の畑で収穫したものを使っています。もちろん、地元の食材もふんだんに使っていて、それだけ、町の食材に自信と誇りをもっているんです。

■ファットリアこもと 五十嵐さん
「お米を作るにしても最高の、日本全国見てもここが一番お米作るには条件が良いよみたいな風土的な、特異性というか立地の優位性もある。だから何を作ってもおいしい」

自然がもたらす地形や気候、そしてそこに生きる人々。それらが合わさって、会津坂下町の豊かな食が育まれていました。