「基本的にはマスクと換気」KP3でも対策は大きく変わらず…熱中症との合併症も注意 福島
7月21日までの1週間のうち県内で感染が確認されたのは、定点あたり9.41人と、前の週と比べ3.21人増え、5週連続で増加しています。
相双やいわき、会津で10人を超えています。全国的には感染の第11波という見方もあり、この夏は再び新型コロナが猛威を振るうのではともいわれています。
県内の感染状況について、感染症に詳しい県立大の山藤教授に話をききました。山藤教授によりますと、陽性者の数をみるとかなり流行していると感じると話をしていまして、現場で懸命に働く医療従事者やほかの患者が感染する「院内感染」の事例も増えているようです。新型コロナだけではなく手足口病といった感染症も警報レベルで増えていますから、医療現場では気の抜けない状況が続いています。
ところで、今回の新型コロナの感染の主流となっているのが、新たな変異株「KP3」と呼ばれるものです。これはどういうものなのか見ていきましょう。「KP3」はコロナ禍で大流行したオミクロン株の新系統といわれていて、感染力が強いのが特徴です。変異株ですから今のワクチンが効きにくく、感染者が増えているのが現状です。そのうえで、山藤教授は次のように話しています。
■県立医大 山藤栄一郎教授
「これまで感染した人、あるいはワクチン接種歴があっても感染してしまう。だからこそコロナは流行を繰り返すということを知ることが重要」
流行の主流となっている「KP3」ですが、山藤教授によりますと、その症状や対策はこれまでの新型コロナと同様大きく変わらないとしています。
■県立医大 山藤栄一郎教授
「(対策としては)基本的にはマスクと換気ですね。でも殆どの人があまり感染対策をしていない状況なのでマスクをしていないと流行は収まりにくい」
一方で、連日の危険な暑さもありますから、熱中症対策との向き合い方はどうすれば良いんでしょうか。山藤教授によりますと、熱中症と新型コロナ感染というのは、似ているところもあって見分けが難しいそうです。加えて、新型コロナに感染し体調が悪くなったことで結果として熱中症を合併するケースもあるようで、熱中症にならない対策、新型コロナに感染しない対策それぞれが重要なんですね。
■県立医大 山藤栄一郎教授
「マスクの着用自体で熱中症のリスクにはならないと考えられているので屋内で第三者がいる状況であればマスクをして対策をすることを勧める」
これまでのコロナ禍でも夏は爆発的な感染拡大を繰り返し医療提供体制にも危機的な状況をもたらしてきました。法律上の位置づけが5類に移行した新型コロナですが、人に感染させない、感染しない対策は引き続き求められています。行動制限のない夏休みだからこそ1人1人の意識が感染の第11波を小さくするのに必要なことだと感じます。
■県立医大 山藤栄一郎教授
「夏休みにコロナがこれまで以上に流行するということが予想されるので公共交通機関の移動など、屋内で第三者がいる状況ではマスクを着用するということ」