高湯温泉で3人死亡の事故 “硫化水素の危険性“ 一呼吸で死に至る可能性も…専門家が解説
福島市の高湯温泉で発生した硫化水素が原因の事故について、一呼吸で死に至ってしまうこともある、その危険性について専門家に話を聞きました。
事故が起きたのは、福島市の高湯温泉。
2月18日、温泉の「源泉」を管理するため、山に入ったホテルの支配人など3人の男性が、山道の入口付近で倒れているのが見つかり、その場で死亡が確認されました。
倒れていた場所は、硫化水素の濃度が高く、ガスを吸い込んだ可能性が高いと見られています。
温泉の「源泉」を管理する中で起きた今回の痛ましい事故。硫化水素の危険性について専門家は。
■中央温泉研究所 滝沢 英夫 研究部長
「硫化水素は非常に毒性の高いガスで、少量吸っただけでも人体に重篤な被害をもたらすが、高濃度の(硫化水素)ガスを浴びてしまうと一呼吸で亡くなるということもございます」
硫黄泉と呼ばれる温泉に含まれる有毒ガスの硫化水素。
滝沢さんによりますと、高濃度の硫化水素を吸い込むと身体に酸素が行き渡らなくなり、死に至るといいます。
さらに硫化水素の事故で発生しやすいのが…
■中央温泉研究所 滝沢 英夫 研究部長
「硫化水素中毒の特徴的な事象として二次災害が多い」
助けに入った人がさらなる被害に遭う「二次災害」です。
腐った卵に似た匂いがする硫化水素ですが、嗅覚を麻痺させる作用があり、濃度が高くなると匂いを感知できなくなり、二次災害につながるケースも少なくないといいます。
また現場には1メートルを超える積雪があり、これが事故の引き金となった可能性もあると専門家は指摘します。
■中央温泉研究所 滝沢 英夫 研究部長
「雪が降るとガスがたまりやすいくぼ地もできやすい、詳細に事故原因を調べて、原因に基づいて対策をとる必要がある」
今回の事故を受けて、高湯温泉観光協会は、旅館やホテルに安全対策を改めて確認するよう呼びかけています。