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被爆80年 広島で多数の国際会議開催 平和発信の機会に

2025年2月21日 19:21
被爆80年 広島で多数の国際会議開催 平和発信の機会に

被爆80年の今年、広島では様々な国際会議が開催されます。

どんな会議があるのか見ていきましょう。

5月18日から、世界バラ会議福山大会が開かれます。
世界中のバラの愛好家などが集まる3年に一度開かれる会議です。

バラの愛好家や生産者が600人から700人集まり、広島市の平和公園へのツアーなどもオプションプログラムで予定されています。
平和について考える貴重な会議となります。

5月29日~5月31日は、ひろしま国際平和&ビジネスフォーラムがあります。
これはこれまで広島県が開催した「世界平和経済人会議ひろしま」を発展させるものです。


核軍縮は安全保障上の問題と受け止められがちだが、経済とも密接に関連しているというのが広島県の考えです。

例えば、国によっては、エネルギーが不足していたり医療を適切に受けられないといった問題があります。これらが紛争の原因になって戦争につながっていく可能性もあるわけです。
そうした紛争の元を解決するのもビジネスの役割ではないかという考え方です。

経済同友会代表理事の新浪剛史さんを議長に各国からゲストを招きます。

8月6日には「国際平和のためのユース対話イベント」が開かれます。
各分野の若手研究者の集中合宿で、国連幹部や政治リーダーと若手が対話する予定です。

11月1日~5日にはパグウォッシュ会議が開かれます。

パグウォッシュ会議とはどんな会議かといいますと、1955年のラッセル・アインシュタイン宣言がきっかけです。

数学者であり哲学者でもあるラッセルと、科学者のアインシュタインが、核戦争による人類滅亡の危険性を訴えたものです。
11人が署名して、この中には湯川秀樹博士も含まれます。

1957年、これをもとに、カナダのパグウォッシュという、今も人口700人あまりの小さな村に、世界の科学者22人が集まりました。
これが第1回の会議で、1995年にはノーベル平和賞を受賞しています。

ことしが63回目の会議となり、11月1日から5日まで広島市で行われます。
日本では過去3回開催されています。
1995年 広島、2005年 広島、2015年 長崎です。
いずれも被爆地での開催です。

過去の広島での会議では、慰霊碑に献花をしたり科学者による講演がありました。
今回も被爆者との対面や原爆資料館の見学をする一方で、新しい科学技術がもたらすリスクについても話し合い「広島宣言」を発表する予定です。

さらに来年5月に開かれるのが、南極条約会議です。

南極というのはどこの国にも属さないみんなの領土です。
その状態を続けるために、1961年に南極条約が発効しました。
軍事基地の建設や、軍事演習を禁止したり領土権主張の凍結が定められています。
日本も昭和基地を置いて科学的調査活動をしていますが、そうした国が、1年に1回持ち回りで課題を話し合うのが南極条約会議です。

日本での開催は、1994年に京都で開いて以来32年ぶりです。
広島市の松井市長は「世界恒久平和を願っている広島の心を広く伝えられる絶好の機会」と話します。

世界では領土を巡る争いが繰り広げられています。
そうした中で、国境のない争いのない大陸、南極について話し合うことは、大きな意義があるのではないでしょうか。

最終更新日:2025年2月21日 19:21