防衛省が呉市議会で説明 日本製鉄呉製鉄所の跡地活用
去年9月に閉鎖した日本製鉄の呉製鉄所の跡地活用についてです。
11日に開かれた呉市議会に防衛省の担当者が出席し、整備する内容について説明しました。
議員からは、経済波及効果や安全管理についての指摘が上がりました。
11日午後1時から始まった、呉市議会。
出席したのは、防衛省の担当者です。
日本製鉄の跡地に3つの機能を備えた複合防衛拠点を整備する考えを伝えました。
■防衛省地方協力局 村井 勝 総務課長
「一つ目が装備品などの維持整備・製造基盤。二つ目に防災拠点及び部隊の活動基盤。三つ目に港湾機能」
日本製鉄の呉製鉄所は去年9月に閉鎖し、跡地約130ヘクタールの活用が焦点になっていました。
防衛省は先週、跡地に「多機能な複合防衛拠点」を整備する考えを表明し、用地買収について日本製鉄とすでに協議を始めていることを明らかにしました。
11日の呉市議会で防衛省は、自衛隊の装備品などを製造する企業の誘致や、火薬庫の整備も検討対象になっていることを明らかにしました。
説明を受けて、議員からは。
■呉市議会 定森 健次朗 議員
「安全性を危惧する声が呉市内外から聞こえている」
■防衛省地方協力局 村井勝 総務課長
「自衛隊の保有してる火薬庫で事故を起こしたことはない。しっかりと管理運営する」
また、経済波及効果について問われると「地元経済の活性化に貢献することができる」と強調しました。呉市の新原市長は。
■呉市 新原芳明市長
「10年後、20年後に呉市民が振り返ってみたときに、 こういうふうにしてもらってよかったという内容のものになるように努めていきたい」
100年以上、呉市の商店街で商売する刃物店は。
■刃物店
「来てもらう方がありがたい方が先に立ちました。だんだん人口が減ってきている。夕方になると商店街も人通りが少なくなる」
Q.弾薬庫については?
「(呉市)広地区にも(弾薬庫が)あって、今まで何かあったとかないから心配していない」
■呉市民の男性
「ほかに来る企業がなければ自衛隊でもいい。昔の軍事拠点になっていくんですかね、なってほしくないというような、分かりませんけれどもね」
一方、呉市役所の前では、「弾薬庫の整備は標的になる」などとして、約40人が反対のデモ活動を行いました。
防衛省が目指す「複合的な防衛拠点」は地元市民の理解を得られるのか。
防衛省は県、呉市、日本製鉄と4者で協議し、検討を具体化させる方針です。
(2024年3月11日放送)