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自宅の耐震は大丈夫…? 自治体の補助や部分的な耐震化をプレゼン【アナたにプレゼン・テレビ派】 

2024年1月12日 14:53
自宅の耐震は大丈夫…? 自治体の補助や部分的な耐震化をプレゼン【アナたにプレゼン・テレビ派】 
広島テレビのアナウンサーが、気になるテーマを自ら取材して、お伝えする『アナたにプレゼン』。馬場のぶえアナウンサーが、能登半島地震を受けて「住宅の耐震は大丈夫?」というテーマでお伝えします。

能登半島地震では建物の倒壊が相次ぎ、その下敷きとなって多くの方が犠牲になりました。今なお、救出活動が続いています。被害が大きかった石川県珠洲市の住宅の耐震化率を表したグラフを見ると、2018年度末までに、市内の住宅およそ6000戸のうち、国の耐震基準を満たしていたのは51%でした。同じ時期の全国の耐震化率87%と比べると、極端に低かったのです。ちなみに、広島県の耐震化率は、2020年度末で84.5%でした。目指すところは100%ですが、まだ19万戸ほどが耐震性を満たしていません。

耐震性は築年数がポイント!

耐震性に大きく関わるのが、住宅の築年数です。建物の耐震は、築42年くらいが1つのポイントとなります。今から42年と半年前、1981年6月に建築基準法が改正され、新しい耐震基準が定められました。この基準を満たした建物は、震度6~7の地震でも倒壊しないとされています。

日本建築学会が2016年の熊本地震で益城町の木造建築物の被害を分析した結果を、国土交通省がまとめました。最大震度7を2回観測した地震で、木造住宅全体のうち15.2%が倒壊しました。

さらに、年代別に分けて見ていきます。1981年5月以前の耐震基準で建てられた木造建築物の倒壊率は、28.2%にもなりました。これに対し、1981年6月以降は、新耐震基準での木造建築物の倒壊率は8.7%です。2000年6月には、さらに耐震基準が改正され、耐震性がより向上したため、倒壊率がさらに低くなっています。

「地震に強い家」の判断は?

自宅が「地震に強い家」かどうかを判断するために、簡単に調べる方法として、国土交通省が監修し、日本建築防災協会が作成した『誰でもできる わが家の耐震診断』があります。「建てたのはいつ頃ですか?」「増築をしていますか?」「建物の形」など10の質問に答えて出た点数によって、「ひとまず安心」「専門家に診てもらって」「早く専門家に相談」の判定がでます。パソコンやスマホで数分でできるので、チェックしてみてください。

自己チェックで耐震性に不安を感じたり、1981年より前の建築の場合は、専門家にチェックしてもらう『耐震診断』という方法があります。お住まいの市町の建築に関する窓口に問い合わせると、耐震診断を引き受けている専門家の紹介や派遣をしてくれます。また、耐震診断にかかる費用は、広島県内全ての市町で補助があります。中でも、廿日市市と江田島市は自己負担なし、呉市・三原市・東広島市は自己負担1万円です。そのほかの自治体も、自己負担は費用の3分の1程度なので、積極的な診断をお勧めします。また、建てた時の資料があるかどうかで、診断費用や期間も変わることもあるので、資料があった方が診断もしやすいそうです。資料がない場合も、診断は受けられます。

「耐震性が足りない」と判断されたら…?

耐震性が足りないと判定された場合は、耐震補強の検討が必要です。耐震補強の工事では、地震の揺れに耐える壁を設置したり、土台や柱の交わる部分に強度を補強する金具を設置したりします。建物の古さや規模などで、一概には言えませんが、工事日数は1~2ヶ月が目途と言われています。

また、耐震補強住宅の耐震改修に、補助金の支援をしている市や町があります。対象は、1981年6月より前に着工された木造住宅であること、地下を除いて2階建て以下であることなどで、補助金の最大は100万円ですが、工事内容により金額は異なります。詳しくは、お住まいの市町にご確認ください。来年度の申し込み受付が、4月にスタートするので、今から自治体に相談すると、ちょうどいいとのことです。

予算的に難しい場合は、部分的に耐震性を高める方法があります。一例として、「ニッケン鋼業」という会社の耐震シェルターや防災ベッドを紹介します。防災ベッドは、寝床の上をフレームで覆うものです。住宅が倒壊しても、寝ている空間の安全を確保し、命を守ることができます。耐震シェルターは、寝室や家族が長時間過ごす居間といった場所に設置して、命を守る箱形の個室です。耐震シェルターやベッドの設置にも、補助を行っている市町がありますので、自治体にお問い合わせください。能登半島地震を他人事と思わず、ご自身の住まいの耐震化も考えてみてください。

【テレビ派 2024年1月10日放送】