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全国初JR西が「再構築協議会」設置を国に要請 芸備線の一部区間 

2023年10月3日 19:33
全国初JR西が「再構築協議会」設置を国に要請 芸備線の一部区間 

JR西日本は3日、利用が低迷する芸備線の一部区間の存続か廃止かを話し合う「再構築協議会」の設置を国に要請しました。協議会の設置要請は全国で初めてです。

3日午前、JR西日本の担当者が中国運輸局を訪れ再構築協議会の設置を要請しました。

■JR西日本 広島支社 奥井明彦 副支社長
「当社としてはできるだけ早く協議会を立ち上げていただいて再構築に向けた議論を進めていきたい」

10月1日に改正地域交通法が施行され、鉄道事業者や自治体が要請すればローカル路線の在り方を議論する再構築協議会を国が設置できるようになりました。今回、対象とされたのはJR芸備線のうち、庄原市の備後庄原駅~備中神代駅の68.5キロの区間です。1日の利用者数はコロナ禍前の2019年度で1キロあたり48人。国が早急な改善が必要として協議会設置を優先する1000人未満を大きく下回っています。

■JR西日本 広島支社 奥井明彦 副支社長
「(芸備線の)なかでも利用状況の厳しい区間だと認識しています。(協議会で)地域の皆様方に利用していただきやすい最適な交通体系を関係者でしっかり議論して構築していく」

JR西日本の協議会設置の要請について湯崎知事は…

■広島県 湯崎知事
「本県としては協議会の趣旨や協議会で検討すべき内容などをふまえて改めて沿線市と協議し対応を検討したいと考えております。これまでは一方的にJRの力が強かったわけですよね。届け出を出せば廃止できるわけですから。我々の非常に弱い立場を(国に)補完してほしいと思っています」

今回の対象区間内にある備後落合駅。この日、観光客以外に地元住民の利用はほとんど見られませんでした。

■地元住民「(芸備線が)残っても乗るもんがおらん、人がおらんのじゃけえ」

駅でボランティアガイドをしている男性です。

■ボランティアガイド 永橋則夫さん
「観光列車をとにかく走らすことを意見の発表の場があれば進言していきたい」

斉藤国土交通大臣は3日、今後のローカル鉄道の再構築に向けてこう述べました。

■斉藤鉄夫 国交相
「持続可能な地域公共交通は何なのかということを責任を持って国としても後押しをしたい」

国は今後、地元自治体に意見を聞いた上で協議会の設置を判断。3年後を目安に路線のあり方の方針が示されることになります。
(2023年10月3日放送)

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