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能登半島地震 いち早く動いたNPO法人やスポーツ界の募金活動など 被災地のために広島からできること【アナたにプレゼン・テレビ派】

2024年1月9日 17:40
能登半島地震 いち早く動いたNPO法人やスポーツ界の募金活動など 被災地のために広島からできること【アナたにプレゼン・テレビ派】
広島テレビのアナウンサーが、気になるテーマを自ら取材して、お伝えする『アナたにプレゼン』。1月1日に発生した能登半島地震について、宮脇靖知アナウンサーがお伝えします。

能登半島地震の被害状況

まず、被害状況についてです。石川県の発表によると、1月8日の午後2時の段階で、亡くなった方は168人、負傷者は565人、安否不明者は323人となっています。この安否不明という方も、1月8日の朝の段階では、100人余りでしたが、増えている状況にあります。行方不明と違い、安否不明というのは、災害に巻き込まれたかどうかもわからないということですから、この情報が分からない孤立集落も含めて、今回の地震に関しては、まだ判明していないことが多い印象です。報道の応援で現地入りした、広島テレビの報道記者によると、金沢から被害の大きい珠洲市までは通常、車で2時間半のところ、行きに5時間、帰りは10時間近くかかったこともあったということです。土砂崩れによる片側通行、さらには道路に亀裂が入ってることによって、なかなか被災現場までたどり着けないといった状況が続いてます。

広島県からの支援

広島県内からの支援の動きです。発生翌日の1月2日、海上自衛隊呉基地から、輸送艦「おおすみ」が派遣されました。大型のホバークラフト型の船で、重機を浜に運び、道路も寸断されていますので、災害復旧に当たっているということです。また、陸上自衛隊、さらには広島県警、中国地方整備局と、どんどん現地に対して、支援の動きが広がり、広島県、広島市、呉市、福山市の医療チームや広島赤十字なども次々現地に派遣されています。

発災から、いち早く支援に向かった団体が広島にあります。神石高原町に本部を置くNPO法人ピースウィンズ・ジャパンです。1日の夜には、車で派遣部隊を出しました。

次の日には、ヘリコプターも派遣しました。そのプロジェクトチームが、「空飛ぶ捜索医療団」です。医師や看護師、さらには災害救助犬など、合わせて30人ぐらいのメンバーで、順次入れ替わりで災害支援を行っています。ヘリコプターや飛行機、船それから水陸両用車なども使い、物資の支援なども行っています。主な活動としては、捜索救助さらには医療支援ということです。

現在は、石川県の珠洲市を拠点に活動しています。1月6日の夜、90代の女性が救出されたという出来事がありました。発生から72時間を超えると生存確率が大きく下がる中で、124時間後に救出。このチームが関わっていました。警察や消防とは別で、現地入りして活動を行っているそうです。当日、建物の下敷きになっている人がいるという情報を聞き、要請を受けて、警察・消防と共に、現地に向かったということです。

その現場には、医療チームが駆けつけました。長時間圧迫された状態から救出すると、ショックで命を落とす「クラッシュ・シンドローム」という症状が出る可能性があります。そのため、このような現場には、警察や消防だけではなく、医療団が行くことに非常に意味があるということです。女性をすぐに救出し、症状も確認し、病院に送ったということで、警察・消防・医療全てのチームが力を合わせた結果です。また、この「空飛ぶ捜索医療団」は、2023年5月に起きた地震の際にも駆けつけました。土地勘、地理勘もあり、地元の人たちと協力できるということで、円滑に作業を進めているということです。さらに、船も派遣しており、陸路でたどり着けない場合には、日本海を回って支援も行っているそうです。

広島のスポーツ界からも様々な支援の動きが出ています。1月6日に募金活動をしたのは、サンフレッチェ広島レジーナの選手たちです。広島広域公園第一球技場であった試合前に、応援する人たちに募金を呼びかけました。こうして集まった募金は、日本赤十字社を通して被災地支援に役立てられます。

■サンフレッチェ広島レジーナ 小川愛選手
「当たり前の日常があるっていうのが、当たり前じゃないっていうことを改めて感じさせられました。1日でも早く、こう当たり前の日常というか、普通の生活に戻れるように、少しでも力になるように、使っていただければなと思います。」

そして、バレーボールの現場でも。Vリーグ全体での支援の動きが広がる中、男子バレーのJTサンダーズ広島も募金を募りました。週末行われた試合会場に、募金箱が設置されたほか、試合終了後のファンとの交流イベントでは、選手が直接募金を呼びかける場面もありました。

そして男子バスケットボール。広島ドラゴンフライズも、能登半島地震の被災地を支援します。試合が行われた会場では、選手が募金箱を持ちファンに募金の協力を呼びかけました。その思いを受けた人々が、支援の思いを選手たちに託しました。

■広島ドラゴンフライズ 上澤俊喜選手
「大きな被害だったので、本当に僕たちにできることは何かっていうことで、微力ながらですけど、募金活動させていただきました。僕の実家に、両親とじいちゃん、ばあちゃんと住んでいたので、家族全員で避難したと聞いてます。たくさの方々に、たくさんの募金していただいて、本当にありがたいと思ってますし、また募金活動だけでなく、僕たちの仕事は、バスケットボールを通して、プレイを通して、元気を与えるというのが1番の仕事だと思います。」

広島の新成人も

広島でもこうした支援の輪が広がっているという状況の中で、1月8日は「20歳の集い」が行われていますが、若者の皆さんがどんなことを感じたのか、聞いてきました。

■新成人は…
「正月1年の最初に不幸なことあったんですけど、それにも負けずに復興頑張ってもらいたいなって思います。SNS使って、震災の時どうすればいいのかって発信している人がいるので、その人たちの情報を頼りとか、自分からももしできたら発信とかもして、自分で情報収集とかもするのが、大切かなって思いました。」
「備えとか、何を持ってくべきとか、何を支援で送るべきとか、そういうのあんまり考えたことがなかったんで、そういう必要なものとかを改めて見直そうと思いました。」
「いつも通りの地震かなと思ったら、いきなり津波が来るってなったから、大変だなと思ったけど、インターネットで買ったら10%分を支援のお金に寄付しますみたいなこと書いてるので、そういうのは買いましたね。」
「(ひいおばあちゃん家のある)長野に行って結構揺れて、おばあちゃんに「隠れて!」って。でも、腰が悪いので、もうそのまま布団かぶせて。非常事態に動ける大人になりたいです。」
「南海トラフも、地震があったことで、なおさら恐れられてるから、もしそういうことがあった時に、冷静に行動できたらいいのと、簡単に自分がこれがいいって思ったことを、自分だけで決めつけずに、行動に移せたらいいなと思います。」
「自分たち、今年成人なのもあって、自分たちだけこんな風に式を開いてもらって、着付けてもらって、やっていいのかなって思ったんですけど、祈ったりとか、募金したりすることで、少しでも力になればいいなと思ったので、微力ですけど何かできたらなとは思ってます。」

石川県からの呼びかけ

そして、多くの人が支援をしたいという気持ちはをお持ちだと思いますが、我々ができることについて、石川県からの呼びかけです。能登方面の不要不急の移動は控え、義援物資は持ち込む前に連絡をしてください。個人からの義援物資は受け付けていないということです。人命救助、物資支援の優先のため、ご理解・ご協力をお願いします。

現段階で確認できた義援金を受け付けている自治体は、赤で記した場所です。今週以降、どんどん呼びかけていく自治体もあるということで、さらに支援の輪が広がっていきそうです。広島県庁でも受け付けていますが、義援物資は受け付けていないということです。また、各地の商業施設などでも、募金箱が設置されていますので、我々のできることを考えて支援をしていくという必要が ありそうです。

【テレビ派 2024年1月8日放送】