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終わりの見えない県立学校のタブレット端末故障問題 その経緯と現状とは【徳島】

2024年2月21日 18:15
終わりの見えない県立学校のタブレット端末故障問題 その経緯と現状とは【徳島】
2023年から徳島県立学校に配布されているタブレット端末故障が相次いでいる問題で、2024年1月の終わりごろから故障がまた急増してきています。

これまでに故障した数は、実に全体の半数以上に及んでおり、これまでの経緯と原因などについてお伝えします。


県立学校に一人一台配布されているタブレット端末の故障が急増したのは、2023年の9月のことでした。

(徳島県教育委員会 榊浩一教育長)
「今年度、夏を過ぎて急激に(故障)台数が増えて来たということで、対応が後手に回ってしまったことについては申し訳なく思っている」

県立学校に配布されているタブレット端末は中国ツーウェイ社製のもので、バッテリーの膨張が原因での故障が相次いだのです。

相次ぐ故障に教育現場からは悲鳴が。

(小松島西高校 蔭岡弘知校長)
「現在修理に出しているタブレットについては、だいたい目途的には?」

(徳島県総合教育センター担当者)
「そちらを修繕する費用が、今年度分不足しているのが現状です。そして今年度中に返すことがなかなかできずに、現在、別の方法を検討しているというところ」

県立中学校で配布されたタブレット端末は、県立高校とはメーカーは同じですが、機種は違うものでした。

その中学校のタブレット端末を巡っては、2021年に県立城ノ内中学校でバッテリーから発火した疑いのある事案も発生していました。

消費者安全法では、発火など生命や身体に影響を及ぼす危険がある事案が発生した場合は、消費者庁への報告義務があるのですが。

(小喜多雅明記者)
「消費者庁に報告義務があると思うが」

(徳島県教育委員会 榊浩一教育長)
「ちょっと確認させてください、申し訳ないです」

これについて後日、県教育委員会は報告義務があったにも関わらず、報告していなかったことを認め、陳謝しました。

この県立中学校などに配布された同機種のタブレット端末は、当時、全て回収され、安全点検が行われています。

一方で、県立高校に配布されているタブレット端末の故障は増え続けます。

(徳島県教育委員会教育政策課 内海はやと課長)
「他県で、本県のような故障が問題となっている状況は色々聞いてみたが、そういった事態にはなっていないと聞いている。異常な状況であると認識している」

ツーウェイ社のタブレット端末を導入している徳島県だけで、こういったトラブルが起こっていたのです。

そんな中、県立高校に配布したタブレット端末の調達業務を請け負っていた会社が、タブレット端末3500台の無償提供を提案、これを受けて県が新たに調達するタブレット端末と合わせて7千台が今年度中に調達できる目途がたち、問題は解決するかと思われましたが。

2024年1月下旬頃から、再びタブレット端末の故障が急増してきたのです。

(県議会自民党 大塚明廣議員)
「故障台数が減らないばかりか増加に転じていて、今年度中の再整備台数では追いつかないのでは?」

(徳島県教育委員会教育政策課 内海はやと課長)
「このまま故障数が増える可能性を考えると、今年度中の調達台数をもって1人1台端末状態の復元は難しいのでは」

今度は、バッテリーの駆動時間が極端に短くなるという故障が相次いでいます。

2月16日時点での不足台数は7945台、故障率は52%に及びます。

タブレット端末が生徒に一人一台となるには2024年の夏ごろまでかかるという事態、生徒の学びの機会を奪う結果となっているこの問題の責任の所在は、どこにあるのでしょうか。


故障率が5割を超えたこのツーウェイ社のタブレット端末は、導入当初からトラブルが絶えませんでした。

2023年の夏ごろから、故障が急増し慌てたわけです。

(小喜多雅明記者)
「このタブレットの故障を巡って2023年、県教委は夏の暑さが故障急増の一つの原因ではないかとしていましたが、この冬にも故障が急増してきているので、暑さが原因というには無理がありそうです。この製品のバッテリー自体に、やはり何らかの問題があると疑わざるを得ません。県教育委員会によると、一人一台に戻すことができるのは2024年の夏ごろと見ています」


徳島県の高校に通う生徒だけが学びの機会を失っているという事態、県教育委員会はもっと深刻に受け止める必要があるのではないでしょうか?

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