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「違法な取り調べが自白に影響した可能性」放火の罪に問われた男性に無罪判決

2023年12月22日 19:18
「違法な取り調べが自白に影響した可能性」放火の罪に問われた男性に無罪判決

知人の車に火をつけたとして建造物等以外放火の罪に問われた男性に対し、熊本地裁が無罪判決を言い渡しました。「10時間以上の違法な取り調べが自白に影響した可能性がある」と指摘しています。

無罪判決を言い渡されたのは、南小国町の30代の男性です。判決文などによりますと男性は去年1月、宇城市三角町にある知人男性の家の車庫に停められていた軽トラックに火のついたタバコを投げ入れて放火したとして、去年5月に逮捕、6月に起訴されました。男性は、警察の取り調べにいったんは容疑を認めましたが、裁判では一貫して無罪を主張していました。

21日の判決で熊本地裁の平島正道裁判長は、「警察は男性を犯人と決めつけて長時間にわたる違法な取り調べを行い、そのことが自白に影響した可能性がある」と指摘。自供以外に犯人であることを裏付ける客観的な証拠がなく、車内の電気系統からの出火や、第三者による放火の可能性を否定できないとして無罪を言い渡しました。

判決を受けて宇城警察署は「コメントを差し控える」と話しています。また熊本地検の松永拓也次席検事は、控訴について「判決内容を確認して、適切に対応します」とコメントしています。

最終更新日:2023年12月22日 19:18