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【生きているうちに尊厳の回復を】旧優生保護法めぐる裁判で国の責任認める判決を求める署名活動始まる

2023年9月29日 19:10
【生きているうちに尊厳の回復を】旧優生保護法めぐる裁判で国の責任認める判決を求める署名活動始まる

旧優生保護法のもとで不妊手術を強いられた人が起こした裁判。尊厳の回復を求めて署名活動が始まります。

9月21日に熊本県庁で会見を開いた支援団体や当事者団体でつくる「優生保護法問題の全面解決を目指す全国連絡会」。最高裁に対して、国の責任を認め原告の尊厳を回復する判決を求める署名活動を始めると発表しました。来年3月末までに100万筆の署名を目指しているということです。

旧優生保護法をめぐっては、これまでに全国4つの控訴審で国に賠償金を支払うよう命じる判決が言い渡されている一方、2つの控訴審で原告の請求が棄却されています。

熊本でも、不妊手術などで「尊厳を侵害された」として、2人が国を相手に裁判を起こし、熊本地裁は原告勝訴の判決を言い渡しました。国は判決を不服として控訴し福岡高裁で裁判が続いています。

会見に参加した原告の渡邊數美さん(78)。旧優生保護法による手術が原因で、結婚や子どもをあきらめ、孤独な人生を送ってきました。

■原告の渡邊數美さん
「自分の日常生活が本当につらくて大変で、どこに助けを求めていいか分からない。裁判がいつ終わるのかもわからないが、できれば生きている間に。勝つか負けるか知らないが、死ぬ時ぐらいは心置きなく死んでいきたい」

署名は「優生連」のホームページ上で受け付けるほか、10月1日午後2時からは熊本市中央区の下通アーケードで街頭署名活動が行われる予定です。