【速報】有明海のノリ養殖「独禁法違反」で公取が全量出荷の強制をやめさせる命令
■公正取引委員会 岡田博己第四審査長
「漁業分野において組合と組合員との間の取り引きに初めて排除措置命令を行う事案となります」
有明海のノリの養殖で、熊本県漁連がノリの生産者に対して全量出荷を求めている行為が独占禁止法に違反しているとして公正取引委員会は15日、行政処分で最も重い排除措置命令を出しました。
排除措置命令を受けたのは「熊本県漁業協同組合連合会」と「佐賀県有明海漁業協同組合」です。
公正取引委員会によりますと、2つの団体は生産者に対して全てのノリを漁連や漁協に出荷するように求めるいわゆる「全量出荷」を強制していて、独占禁止法に違反しているとしています。
「排除措置命令」は、全量出荷の強制をやめるように命じるもので行政処分の中で最も重い処分です。
この問題をめぐって公取はおととし6月、県漁連などに立ち入り調査を行い、その後「排除措置命令」を出す方針を通知していました。
これに対して県漁連側は、「漁連漁協と生産者が結ぶ誓約書では全量出荷を課しておらず、独禁法違反ではない」などととして、「排除措置命令」の差し止めを求める裁判を起こしていました。
しかし5月9日、東京地裁は県漁連側の請求を却下する判決を言い渡していました。
命令を受けて県漁連側は「今後は命令の取消を求める裁判を起こして裁判所で独禁法に違反していないということを十分に説明したい」とコメントしました。