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【続報】 有明海ノリ「全量出荷」独禁法違反 県漁連も命令取り消し求める裁判

2024年5月15日 19:32
【続報】 有明海ノリ「全量出荷」独禁法違反 県漁連も命令取り消し求める裁判
有明海のノリ

有明海のノリの出荷をめぐり、熊本県漁連が生産者に求めている「全量出荷」が独占禁止法に違反しているとして、公正取引委員会が「排除措置命令」を出しました。県漁連は手続きが違法だとして国を相手に裁判を起こしました。

■公正取引委員会 審査局・岡田博己第四審査長
「漁業分野において組合と組合員との間の取り引きに初めて排除措置命令を行う事案となります」

排除措置命令を受けたのは「熊本県漁業協同組合連合会」と「佐賀県有明海漁業協同組合」です。
生産量日本一を誇る有明海のノリ。

公正取引委員会は、生産者は県漁連だけが持つ「漁業権」を割り当ててもらう必要があると指摘した上で、生産者にすべて漁連や漁協に出荷するよう求める全量出荷を定めている点を問題視。
これが独占禁止法が定める「不公正な取引」に当たると判断し、行政処分の中で最も重い「排除措置命令」を出しました。

「全量出荷」をめぐっては、公正取引委員会がおととし6月熊本県漁連などに立ち入り調査を行い、その後違反行為をやめるよう命じる「排除措置命令」を出す方針を通知していました。
これに対し県漁連は「全量出荷の義務は課しておらず、罰則規定もないことから独占禁止法に違反するものではない」と主張。

命令の差し止めを求めて提訴しましたが、東京地裁は5月9日にこの請求を却下しました。

県漁連側の代理人弁護士は15日、記者会見を開き反論しました。

■県漁連代理人・平山賢太郎弁護士
「ノリを生産者から漁協へ出荷させるという強制はしていません。今後は命令の取り消しを求める裁判を起こして独占禁止法に違反していないということを十分に説明していきたい」

県漁連は排除措置命令を出すまでの公正取引委員会の手続きに違法性があるとして5月13日付けで裁判を起こしたことを明らかにしました。