【実は苦労人】関連商品の売り上げ累計は1兆4500億円超!くまモン人気の秘密を探る
(今井怜菜リポーター)
ますは、くまモンのこれまでを振り返ります。
【VTR】
今や世界中から愛される存在となったくまモン。
■埼玉から
「みんなに愛されるいやされキャラですよね」
■台湾から
「かわいいー!!」
関連商品のおととしの売り上げ金額は、1660億円あまり。調査を始めた2011年からおととしまでの売り上げの累計は、1兆4500億円を超えています。
そんなくまモンがデビューしたのは今から15年前。九州新幹線の全線開業をPRするために誕生しました。
(緒方太郎キャスター)
あれ?今のくまモンより痩せている感じがしますね。
(今井怜菜リポーター)
熊本のおいしいものをたくさん食べて、今の姿に成長したそうですよ。
そして翌年の2011年、全国ゆるキャラグランプリで優勝。その名を日本中にとどろかせました。
そんなくまモンも、実は“苦労人”なんだそうです。
■熊本県くまモン課 鳥井薫順課長
「最初、県内では保育園とか幼稚園回りをしていたが、私たちが、くまモン、今度あなたの幼稚園にお邪魔していいですか?と言うと、『何ですか?くまモンって。うちはいいです』と断られていた」
さらに、誕生した背景には意外なエピソードがありました。
■熊本県くまモン課 鳥井薫順課長
「県でこういうゆるキャラを作ろうと作ったわけではなく、小山薫堂さんが、新幹線PRにあたってこんなキャラクターもいたらいいんじゃないかと、‟おまけ”で提案いただいた」
その後、地道な営業活動を続けた結果、徐々に認知度がアップ。熊本県の営業部長兼しあわせ部長にまで出世しました!
(緒方太郎キャスター)
そんな苦労があったんですねー。
熊本地震では避難所を訪れ、多くの人たちに元気を届けるなど、名実ともに“熊本県の顔”となったのです。
ただ、これだけ長い間、多くの人に愛される理由は何なのか。みなさんに聞いてきました。
■女性
「逆にシンプルだから覚えやすい」
■男性
「動物だから親しみやすい。天真らんまんな、ちょっといたずらしたりとかそういうのが人気の秘訣かな」
■女性
「容姿もかわいいし、みんなに優しいところ。よくわかりませんけど」
【スタジオ】
(今井怜菜リポーター)
ということで、私も含め、みなさん、くまモンはすでに人気者ということで、どうして人気なのか、あまり考えたこともないという人が多いようです。
(緒方太郎キャスター)
人気の秘密をひも解いていきますよ。まずは、くまモンのスケジュールなどを管理する熊本県のPR戦略です。
■熊本県くまモン課 鳥井薫順課長
「くまモンって、やんちゃで元気な男の子キャラクターじゃなくて人、一人の人格をもった人間だと思って接してきた。ディズニーランドのキャラクターのような没入感、思い入れを持ってもらうことが大事」
(緒方太郎キャスター)
県のPR戦略のポイントは、くまモンは“唯一無二の存在”であること。同じ時間帯に別の場所に現れることはないということで、スケジュール管理もかなり難しいそうなんです。例えば1日12か所でイベントに出演することもあり、天草市から菊陽町など長距離の移動もあるそうですちなみに、熊本県庁では知事、副知事に次ぐナンバー3の立場なので、残業代はありません。
(今井怜菜リポーター)
忙しいですね~
(緒方太郎キャスター)
そのため、1回の出演時間を30分とするなど、過密スケジュールをやりくりしているそうなんです。一方で、SNSでの発信やくまモンのイラストの利用を無料にすることで、企業の商品など国の内外にまでより多くの人に浸透できるというわけなんです。
(今井怜菜リポーター)
確かに、まちを歩けばくまモンだらけですもんね。
(緒方太郎キャスター)
また、くまモンの“あの姿”にも人気の理由があるんです。専門家に聞きました。
■ゆるキャラ研究家 犬山秋彦さん
「(くまモンの体の)黒は一見すると地味な色だが、どんな色とも相性が良いので、その色を浮き上がらせる、目立たせる効果がある」
(緒方太郎キャスター)
犬山さんがポイントにあげたのが“色”です。全国的にも黒がベースのゆるキャラは珍しく、様々な商品にイラストを使用しやすいということです。どんな衣装でも色が映えるということです。さらに犬山さんはこんなことも話しています。
■ゆるキャラ研究家 犬山秋彦さん
「イベントでくまモン自身、結構やんちゃだったり、暴れ回っている映像とかを見たことがあるのですが、普通の県のキャラはそこまでさせてくれない」
(今井怜菜リポーター)
確かに。くまモンは運動神経バツグンで、自由奔放なイメージありますよね。
(緒方太郎キャスター)
運営する熊本県の度量と愛の大きさが人気の秘密でもあったんですね。