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“デフレの象徴”は今──マック値上げ、ハンバーガー190円に 食費が圧迫…「白菜高いのでもやし鍋」【#みんなのギモン】

2025年3月13日 10:10
“デフレの象徴”は今──マック値上げ、ハンバーガー190円に 食費が圧迫…「白菜高いのでもやし鍋」【#みんなのギモン】
マクドナルドやモスバーガーを展開する会社が3月、ハンバーガーなど多くの商品を相次いで値上げします。日本マクドナルドのハンバーガー価格の変遷を追うと、時代背景が浮かび上がってきました。様々な食品の高騰により、食費が家計を圧迫しています。

そこで今回の#みんなのギモンでは、「時代を反映? ハンバーガー価格」をテーマに解説します。

■ファストフードに“値上げの波”

猪子華・日本テレビ社会部記者
「3月は、ファストフード各社でハンバーガーなどの値上げが相次いでいます。日本マクドナルドは12日からハンバーガーやポテト、シェイクなど全体の約4割の商品を値上げします」

「4年連続の値上げで、ハンバーガーは170円(税込み、以下同)から190円に、マックシェイクMサイズは220円から230円に引き上げられます」

「モスバーガーを展開するモスフードサービスは19日から、全体の半分近くを値上げします。モスバーガーは440円から470円に、テリヤキバーガーは430円から460円に引き上げられます。両社とも値上げの理由は、物流費や人件費の上昇を受けたものだといいます」

鈴江奈々アナウンサー
「ファストフードは子どもも大好きなので、よくおねだりされて週末に行きますが、家族みんなの合計金額になると、なかなか(高い)ですよね」

森圭介アナウンサー
「お会計の時びっくりしますよね」

忽滑谷こころアナウンサー
「この料金を見るとセットなのかなと思ってしまいがちですが、単品のバーガーということですもんね」

森アナウンサー
「これにドリンクをつけると1000円近いですからね」

■不景気で値上げ、コスト増で値上げ

猪子記者
「こうしたハンバーガーの価格で、時代背景が見えてきました。日本マクドナルドのハンバーガーの最低価格の変遷を50年にわたるグラフにしました」

「1971年に銀座三越に1号店をオープンした時は、80円(税抜き)からスタートしました。その後、2度のオイルショックを経てどんどん値上げしていき、1985年には210円(同)に。バブル景気の頃も変わらずにこの値段が続きました」

「その後、不景気になって私たちの財布の紐が固くなる中、どんどん値段が下がっていきます。2002年には59円(税抜き)にまで値下げしました」

桐谷美玲キャスター
「私が小中学生の頃は子どもたちだけでお金を握りしめて、マクドナルドでお腹いっぱい食べられるくらい、という感覚でした」

鈴江アナウンサー
「子どものお小遣いでも食べられたんですか?」

桐谷キャスター
「食べられました」

森アナウンサー
「(当時)私は新人アナウンサー時代で、お昼にハンバーガーを3つ買っていました。懐かしいです。こんな時代ありましたもんね」

猪子記者
「この頃、マクドナルドは牛の病気であるBSE問題で打撃を受けていて、価格を下げることで消費拡大を図りました。この値下げはデフレの象徴としても話題になりました」

「その後、価格は少しずつ上がっていき、ここ4年は原材料価格や物流費の上昇のほか、円安で輸入コストの増加が続いたことで値上げが続き、12日から税込みで190円となりました」

森アナウンサー
「安い頃を知っている私からすると190円は高くなったと思いますが、当時は企業努力で安く下げられていた。でも今は、それができないくらい原料や物流が値上げされ、コストがかかってしまっているということですね」

■物価高騰で増える「食費」の割合

猪子記者
「そして様々な食品の物価高騰によって、家庭での食費の割合も増えています」

「総務省の家計調査によると、最新のデータとなっている去年、2人以上の世帯が使ったお金のうち食費の割合を示す『エンゲル係数』は28.3%で、1981年以来43年ぶりの高水準となりました。つまり、それだけ食費が家計を圧迫しているということです」

鈴江アナウンサー
「3月もいろんな品目で値上がりがあります。それだけ生産コストが高まっているから致し方ない値上げではあるんですけれども、消費者からするとなかなか、家計はちょっと厳しいですよね」

森アナウンサー
「何とか節約して、と思っている方も多いでしょうね」

■野菜高騰時の“お助け食材”は?

猪子記者
「皆さん、どんな節約の工夫をしているのでしょうか?」

「買い物情報に関するサービスを手がける会社のグループが行った調査(くふう生活者総合研究所、2025年1月)によると、『野菜価格が高騰した時に頼るお助け食材は何?』という質問に対して、5位は鶏むね肉、4位は厚揚げ、3位は冷凍野菜、2位は豆腐でした」

森アナウンサー
「(冷凍野菜は)価格が安定していますからね」

鈴江アナウンサー
「使いやすいですしね」

猪子記者
「冷凍野菜は必要な分だけちょっとずつ使えますし、日持ちもするので、便利だなという実感がありますよね」

桐谷キャスター
「我が家では豆苗です。再生もするので」

猪子記者
「1位はもやしです」

桐谷キャスター
「かさ増しにも使えます」

鈴江アナウンサー
「サラダにもなるし、炒め物にも鍋(料理)にも使えます」

猪子記者
「もやしについて、回答者からは『白菜が高いのでもやし鍋』『焼きそばにはキャベツを入れないでもやしに変更しています』という声があったそうです。私もキャベツをかなり減らして、もやしを増やしています」

■3月も…キャベツや白菜は高値傾向

鈴江アナウンサー
「やっぱり、もやしの頻度は高いですよね。子どもたちの栄養などを考えると、いろんな野菜を取り入れて食卓に並べたいなとは思います。ここから先の野菜の価格の傾向のようなものはあるんですかね?」

猪子記者
「高値が続く野菜ですが、農林水産省によると、3月もキャベツや白菜などは高値の傾向で推移する見込みだということです。一方でナスやキュウリ、ピーマンの3月の価格は平年並みで推移するとみられ、こうした野菜を取り入れてみるのもいいかもしれませんね」

鈴江アナウンサー
「お買い物に行く時、リーズナブルなものを探して、というのがありますよね」

桐谷キャスター
「ありますね。どの野菜も高い方が目についてしまうので、これだったらいけるかな、というのを探しながら買い物しますね」

鈴江アナウンサー
「工夫して乗り切りたいですね」

猪子記者
「まだまだ食費の高騰に頭を悩ませる時期は続きそうですが、何とか乗り切るためにも、前向きになれるような工夫をしていきたいなと感じました」

(2025年3月12日午後4時半ごろ放送 news every.「#みんなのギモン」より)

【みんなのギモン】

身の回りの「怒り」や「ギモン」「不正」や「不祥事」。寄せられた情報などをもとに、日本テレビ報道局が「みんなのギモン」に応えるべく調査・取材してお伝えします。(日テレ調査報道プロジェクト

最終更新日:2025年3月13日 10:10