感染性胃腸炎で突然“おう吐”…どうすれば? 「飲んではいけない薬」とNG行為 過去10年で最多の感染【#みんなのギモン】

そこで今回の#みんなのギモンでは、「感染性胃腸炎 NG行為は?」をテーマに解説します。
富田徹・日本テレビ解説委員
「ノロウイルスなどの感染性胃腸炎について、やってはいけないNG行為があります。感染状況から見ていきます」
「国立感染症研究所によると年末年始の頃(去年12月30日~今年1月5日)は、全国平均で1医療機関あたりの感染者数は1.09人でした」
「これは季節関係なく比較的少ない人数でしたが、そこから1か月半ほどたった2月17日~23日には、約10倍の10.32人になりました。この時期としては過去10年で最多となっています」
斎藤佑樹キャスター
「僕自身は(感染性胃腸炎に)なったことはないんですけれども、なった方からは『本当に大変だ』という話は聞きますね」
富田解説委員
「ウイルスが家の中に入ってくると、何が起きるのか。every.の男性スタッフが去年12月末に感染していて、その例を見ていきます」
「本人は38歳、妻は37歳で、2歳と0歳のお子さんがいます。最初に発症したのは妻でした。夕方、急にお腹が痛いと寝込んでいて、しばらくして突然、廊下におう吐してしまいました」
山崎誠アナウンサー
「大人がこらえきれないくらい、本当に突然ということでしょうから、かなり厳しかったんでしょうね」
富田解説委員
「突然来たということです。病院には行きましたが感染性胃腸炎に特効薬はないので、処方されたのは整腸剤などだったそうです。そして翌日の夜、眠っていた男性スタッフは腹痛で目が覚めました。感染してしまったということですね」
「男性スタッフの症状は妻と違って吐き気はないものの、とにかくお腹が痛かったということです。(これは感染性胃腸炎の)特徴らしいですが、胃のあたりをぎゅーっと鷲づかみにされているような痛みがあったそうです」
「その翌日と翌々日、2歳と0歳の子どもの便がゆるく、うつったかも?と思った瞬間があったものの、半日で症状がなくなったそうです。ノロウイルスの潜伏期間がおおむね1日~2日です。どれだけあっという間に広がるか、この時系列からもわかりますよね」
森圭介アナウンサー
「家庭内に1人感染者が出てしまうと、なかなか食い止めるのは難しいですよね」
富田解説委員
「食い止める上での、やってはいけないNG行為があります。男性スタッフは反省していることがあるそうです。妻が廊下で突然吐いてしまった時に、慌てて素手でキッチンペーパーで拭いてしまったことです」
瀧口麻衣アナウンサー
「ダメだとわかっていても、なんとかしなきゃと思ってやってしまいますよね」
森アナウンサー
「素手がまずいということですよね?」
富田解説委員
「そうです。とにかくすぐにやってしまうのも、よくありません。男性スタッフは突然のことで感染性胃腸炎とは思わなかったと、本人は反省していました」
「ただ、やってよかったということもあったようです。お腹が痛くて食事はできなかったけれども、経口補水液は飲んでいたといいます」
「これは大事なことで、感染性胃腸炎になった時に一番気をつけなくてはいけないのが脱水症状です。脱水状態になると重症化する恐れがあるので、なるべく水分をこまめに取る必要があります」
山崎アナウンサー
「もどしてしまうこともあるので(往々にして水分を)取らないようにするということもあると思いますが、できる限り水分は取った方がいいということですね。今回の夫婦はどれくらいの期間で治ったんですか?」
富田解説委員
「今回の場合、夫婦ともに2日間ほどで回復したということです」
富田解説委員
「感染性胃腸炎の注意点を、感染症に詳しい東邦大学の小林寅喆(いんてつ)教授に聞きました。まず、家族が吐いてしまった時の処理の仕方について。すぐに拭き取るのではなく、まずウイルスを殺すことが大事です」
「具体的にはバスタオルで覆って、塩素系の漂白剤を薄めたものを上から注ぎ、10分~15分、ウイルスが死ぬのを待つ時間が必要です」
森アナウンサー
「すぐに拭いてしまいそうになるけれども、それがダメだということですね」
富田解説委員
「バスタオルが厳しければ新聞紙でもいいということです。次に、感染した時に飲んではいけない薬があります。下痢止めです。体内のウイルスを排出するのを抑えてしまうからです」
山崎アナウンサー
「(感染すると)かなり苦しい期間が続くと思いますが、治すためにはこういう選択肢を取った方がいいということですね」
富田解説委員
「今のような流行期に気をつけたい場所があります。駅やスーパーなど不特定多数の人が出入りするトイレです。これが感染源になりやすいので、使ったら水だけではなく石けんでも手を洗うことが大事だといいます」
森アナウンサー
「焦らずに正しい知識で正しく恐れるのが大事ですね」
富田解説委員
「今の流行は、この先暖かくなってきたら収まっていくだろうということですが、それまでの間はなるべく家に(ウイルスを)持ち込まない注意を心掛けたいですね」
(2025年3月10日午後4時半ごろ放送 news every.「#みんなのギモン」より)
【みんなのギモン】
身の回りの「怒り」や「ギモン」「不正」や「不祥事」。寄せられた情報などをもとに、日本テレビ報道局が「みんなのギモン」に応えるべく調査・取材してお伝えします。(日テレ調査報道プロジェクト)