【防災企画】東日本大震災から14年 いつ何が起こるかわからない今… 日ごろの備え「備蓄」の重要性について解説

14年前の3月11日に東日本大震災が発生しました。山陰地方でも、災害はいつ起こるかわかりません。そこで改めて日ごろの備え、今回は「備蓄」の重要性について、防災士の私たち2人でお伝えします。
■「備蓄」の重要性
中山紗希 防災士
「さて、町田さん、まず備蓄の基本となるのが『水』そして『食料』ですよね」
町田朱理 防災士
「水には飲料水と調理用水などいろいろありますが、1人1日3リットル最低でも3日分必要とされています」
中山紗希 防災士
「続いて食料です。水やお湯を注ぐだけで食べられるアルファ化米、レトルト食品のほかに、乳幼児がいる方は離乳食やミルク、高齢者の方は介護職など必要に応じて準備しなけらばいけないものもあります。こちらも最低3日分が必要です」
中山紗希 防災士
「先ほどから3日分とお伝えしていますが、これはあくまでも目安。人間が飲まず食わずで生存できる限界が72時間とされていることから3日分といわれています。望ましいのは、1週間分です。実際に去年発生した能登半島地震の際も支援物資の輸送が遅れ、2日以上かかった地域もありました。こうした実例もありますので可能ならば3日分以上用意しておきましょう」
「実際どれくらいの量になるのかというと、先ほどお話したアルファ化米などのほかに汁物、おかずとなる缶詰など栄養バランスも大切になってきます。ただ、コストを考えると最低限の量でも日ごろから備えておくのは大変な感じがしますよね」
■備蓄に重要な「ローリングストック」
町田朱理 防災士
「そこで、重要なのが『ローリングストック』と呼ばれる備蓄法です。日ごろから賞味期限が近づいたものから使ってその分を買い足していく方法です。一目でわかるよう、賞味期限別に分散して整理しておくと、賞味期限切れなども防ぐことができます」
中山紗希 防災士
「食料と水の他に準備すべきこととしてほかに何があるでしょうか」
町田朱理 防災士
「見落としがちなのが「トイレ」です。簡易トイレなどは1日5回~7回分が目安とされていますので最低でも15回分、1週間分のことを考えたら50回分が推奨されます。トイレのほかにも、モバイルバッテリーやソーラーパネルなど電源が確保できるものもあると安心ですよね」
■「寒さ対策」にも注意が必要
中山紗希 防災士
「では、この時期ならではの注意点はなんでしょうか」
町田朱理 防災士
「注意したいのが『寒さへの対策』です。東日本大震災では、地震や津波で直接被害を受けていなくても、寒さが原因で体調を崩したり低体温症で亡くなったりした方もいました」
町田朱理 防災士
「山陰地方でもこの時期、日中は13℃前後、朝晩は3℃前後となるなど、寒暖差が激しく体育館などの避難所はかなり過酷な環境になると考えられます」
中山紗希 防災士
「そうした対策の一つとして『段ボールベッド』がありますが、ただ、すべての避難所にすぐに設置されるわけでもないですよね」
町田朱理 防災士
「そういう時に役に立つのがおうちにある身近なもの。新聞紙やラップ、ビニール袋です。これらを下着と洋服の間に入れ込むだけでも十分暖かく感じられます。また、段ボールベッドが無くても段ボールを床に敷くだけで寒さをしのげますので、必要な物資が届くまでの一つの手段として実践してみてほしいですし、これらのアイテムも日ごろから意識して備えておくといいでしょう」