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「環境保全に適正な配慮」川辺川の流水型ダムの環境影響評価準備レポート公開

2023年11月28日 18:36
「環境保全に適正な配慮」川辺川の流水型ダムの環境影響評価準備レポート公開

3年前の熊本豪雨の治水対策として川辺川に建設される流水型ダム。その工事などが環境に及ぼす影響をまとめた国の環境影響評価準備レポートが公表されました。一般の人たちも自由に見ることができます。

球磨川支流の川辺川に建設される流水型ダム。普段は水をためず、大雨が降った場合に水をためて下流に流れる水の量を調節します。国と熊本県は、「洪水被害」と「環境への影響」を減らすことを目的にダムを整備することにしています。

そして28日、九州地方整備局は環境影響評価準備レポートを公開しました。。流水型ダムの建設工事や洪水調節などが流域の環境に及ぼす影響と対策について、国が5070ページにわたりまとめました。

例えばアユについては、ダムに試験的に水をためると川の水量が減り、エサ場や産卵場となっている瀬が縮小するため対策として瀬を整備するとしています。また希少生物が生息するダム上流部の五木村にある九折瀬洞は、ダムに水をためると洞窟内の大部分が冠水するとしています。その対策として一時的に洞窟を塞いだり、昆虫やコウモリなどを洞窟内の冠水しない場所に移植するとしています。

準備レポートでは、総合評価として「環境に及ぼす影響は実行可能な範囲でできる限り回避または低減され、環境の保全について配慮が適正になされている」とまとめられています。

■熊本県 蒲島郁夫知事
「一番最後に流水型ダムがあって、初めて全体がコントロールできる。極限まで安全だと極限まで考えられた治水の対策だと理解してもらえるように、我々も努力していかないといけない」

この準備レポートは11月28日から12月28日まで、熊本県内22か所、福岡県の九州地方整備局とそのホームページで公告・縦覧され、来年1月11日まで意見を募集します。