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洪水対策用の流水型ダム 環境への影響は?審査会が流水型の立野ダムを視察

2023年10月5日 18:17
洪水対策用の流水型ダム 環境への影響は?審査会が流水型の立野ダムを視察

国が川辺川に建設予定の流水型ダム。ダムが建設された場合の環境への影響を調べる国のレポートを審査するため、県が設置した環境影響評価審査会が5日、同じ流水型ダムの立野ダムを視察しました。

球磨川の支流、川辺川に建設予定のダムは、洪水対策専用の流水型ダムです。底に水を流す穴があり、普段は水を下流へ流します。洪水が起きそうな時だけ水をためるため、環境への影響が少ないといわれています。

国は現在、ダムを建設した場合の環境への影響を調査しています。国のレポートには蒲島知事が意見を出すことになっていて、知見を得るために水質や景観、生態系などの有識者15人でつくる環境影響評価審査会を設置しています。

■松本茜記者
「審査会の委員たちは、立野ダムの上流がよく見える展望所でダムの説明を受けています」

今後のレポート評価の参考にしようと、審査会の委員12人が白川にある流水型の立野ダムを視察しました。委員からは、景観を守るための取り組みなどについて質問があり、ダム工事で掘削したのり面の植樹などの説明を受けました。

立野ダムは今年5月に本体工事が完了し、梅雨の時期にはダムに水を貯める洪水調節を実施。下流に流れる水の量を最大で毎秒約260トンカットしました。

ダムの放流孔がよく見える橋では、7月の洪水調節の際に流れてきた流木の様子や、流木が放流孔をふさがないように設置された設備への質問もありました。

■環境影響評価審査会 松田博貴会長
「環境と景観と防災・減災を両輪に、地域の方々にいい形を選択できるようにするのが重要」

立野ダムでは11月1日からダム本体などの安全性を確認するため試験的に水を最高水位まで貯める予定で、審査会は今後も視察を行いたいとしています。