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【独自】今年生まれた赤ちゃんがゼロ『深刻な少子化』産山村はどう乗り切る?

2024年6月7日 18:52
【独自】今年生まれた赤ちゃんがゼロ『深刻な少子化』産山村はどう乗り切る?
熊本・産山村
少子化が課題となる中、阿蘇郡産山村では、今年生まれた赤ちゃんが、これまでいないことがKKTの調べでわかりました。産山村では、他の自治体にはない独自の子育て支援で難局を乗り切ろうとしています。

人口1300人あまりの産山村。湧き水を使った農業と畜産が主な産業です。

■緒方太郎キャスター
「今年に入ってから生まれた赤ちゃんの数がゼロという産山村。 少子化を村の人はどう受け止めているのでしょうか?」

■村の人
「子どもの泣き声が聞こえない。遊ぶ人も見かけなくなった。心配です。今、若い人がいないです、年寄りばかり」

『今年生まれた赤ちゃんがいない』。この現状について、村役場の担当者に聞くと。
■産山村健康福祉課 井順士課長
「まず働くところがあっての居住となるが、そういうところの整備と、基幹産業で時代を担う方が少しずつ減ってきている影響がある」

この先、2人の赤ちゃんが生まれる予定で、今年の「出生数ゼロ」は避けられる見通しです。しかし、若い世代が就職を機に村の外に出る傾向にあり、2022年度から赤ちゃんの生まれた数が一桁台で推移しています。

KKTは、今年1月から生まれた自治体ごとの赤ちゃんの数を調べました。産山村だけでなく、人口が減る県南地域では五木村が1人、球磨村と水上村が2人などという状況です。

県内全体の出生数は一昨年までに7年連続で減少していて、地方では深刻な少子化に直面しています。

■緒方太郎キャスター
「村内の子どもたちが、ちょうどお出かけをしているところですね」

園児の数も減る傾向にある産山村ですが、決して子どもを育てにくい地域というわけではありません。

■うぶやま保育園 井隆博園長
「令和元年10月からは完全保育料無償化、給食費も無償化しています。令和元年に無償化した際には、県内ではなかったと聞いています。全国的にも珍しい」

村は独自の予算を組み、出産祝い金のほか、0歳からの保育料や義務教育学校の給食費などを無償化にしています。このような独自の子育て政策を講じながらも少子化が著しい現状に、産山村の担当者は。

■産山村健康福祉課 井順士課長
「村にいる方が幸福感をもって住んで頂く。その方々の声を聞いて反映させた政策を打っていくのが大事だと思っている」
Qそれが今後、数字にも出てくるだろうという期待感?
「そこを描いて取り組むだけです」

【スタジオ】
(緒方太郎キャスター)
産山村役場の担当者が話していた「幸福感」。これが少子化を食い止めるキーワードになると感じました。

そもそも人口が減っている中で、子どもの数を増やすのはかなり難しいと想像できます。大事なのは子どもの数を減らさない、減少の幅を小さくすることです。親が子育てで「幸福感」を得られれば、将来、子どもや孫の世代も「故郷で子育てをしたい」と思ってくれると思います。

数字にとらわれすぎず、目の前の住民を幸せにするという政策が大切なのだと感じました。