“ウェルビーイング”向上訴え…課題は 就任3年 新田知事 富山県
新田知事が県政を担ってから3年が経ちました。
変革を訴えて当選した新しい知事のもとで、富山に変化は起きているのか。県内各地で集めた声などを通し、シリーズで新田県政の現在地を考えます。
初回の13日は、新田知事が政策の中心に据える概念「ウェルビーイング」です。
新田知事
「私は、県民一人ひとりが、積極的にウェルビーイングを意識し、自ら高めていくことはもちろん、周りの人、社会のウェルビーイングのことも、考え行動できる人がたくさんいる富山県にしていきたい」
知事が肝いりでまとめた県の成長戦略の中心にあるのが、“真の幸せ”とも翻訳される「ウェルビーイング」という考え方です。
GDPなどの経済指標では測ることが難しい、個々人の幸福感を指すもので、県は、これを高めることを政策の柱としました。
新たに県独自の「指標」を策定し、経済的なゆとりだけでなく家族や地域との「つながり」や自分らしさ、生きがいなども数値化していきます。
新田知事
「教育によってウェルビーイングを高める」
「武道関係者のウェルビーイングの向上が高まる場にはなる」
「若い女性のウェルビーイング向上に努めます」
“ウェルビーイング”を説明する言葉に力がこもる背景には、政府や企業などがこの概念を用いることが増えてきたこともあるとみられます。
新田知事
「政府の骨太方針にも取り上げられ、今臨時国会でも所信表明演説で岸田総理が言及されました、これからウェルビーイングの波が日本国中に広がっていくことが期待されされその中心拠点の1つとして本県の存在感が高まっていると感じています」
一方、県民はどう感じているのか。
武道キャスター
「このウェルビーイング、どれだけ県民の皆さんに浸透しているんでしょうか」
Qウェルビーイングってご存知ですか
10代
「聞いたことないです、何ですか?初めて聞きました。富山もいいところあると思うんですけど、全体を見て活性化してもっと盛り上がってほしいなと思います」
富山市 90代男性
「日本人だから横文字はわからないの」
60代夫婦 富山市
「はい、知事がよく言っています」
Q意味はご存知ですか
「『幸せ』というか『幸福な生活』というか、こう言うキャッチフレーズを作るのはいいんですけど、もっと中身があることをやってもらった方が。産業起こすとか」
県の調査によりますと、「ウェルビーイング」を知っていると答えた県民はおよそ4割で、「言葉も意味も知っている」と答えたのは2割にも届きませんでした。
県の専門チームにも加わるウェルビーイングの専門家は、政策の効果を測るには「時間がかかる」と話します。
予防医学研究者 石川善樹さん
「富山県の施策は全国に先駆けてやられているので、よかったかどうかは今後わかってくるもの。真の意味で効果が出てくるのは10年単位」
多様で個別の幸福感をそれぞれどのように上げていくのか。新田知事は、本格的な取り組みを2024年度以降、加速させる考えです。
新田知事
「すべての部門についてウェルビーイング向上効果などを勘案して施策を検討することとしています前例にとらわれず 新たな取り組みを積極的に進めてまいります」
新型コロナウイルスが感染拡大して以降、閉塞感を感じるという声は県内各地で聞かれます。
こうした状況を政治の力で解決できるのか、14日は「関係人口」について考えます。