新湊のシロエビ不漁 5月9日まで休漁に 販売施設も困惑
射水市の新湊漁港のシロエビ漁が、大型連休明けまで行われないことになりました。シロエビ漁は今月1日に解禁されましたが、新湊ではその後の水揚げ量が極めて少ないためで、関係者は気をもんでいます。
4月1日に解禁されたシロエビ漁。淡いピンク色に輝くシロエビは、富山湾特産の味覚として人気です。とくに今年は能登半島地震のつめ跡が新湊漁港にも残る中、豊漁に期待が集まっていました。しかし…
シロエビ漁に携わる縄井 恒さん
「4月に解禁になってからほぼ獲れてない、そんな状況ですね」
新湊漁港では、漁解禁から4月18日までの水揚げが2894キロ。去年の1日の水揚げ量にも届いていません。
記録的な不漁を受けて新湊漁業協同組合は、4月20日から大型連休明けの5月9日まで20日間にわたって、シロエビ漁を休むことを決めています。また休漁に伴って、シロエビ漁を見学できる観光船の運航も延期となりました。
縄井さん
「このまま漁獲が低いままだと死活問題ってことになってくるので。自然のことなのでどうすることもできないというのが現状なんですけど、回復、漁獲が戻ってくることを期待している、祈っている、そんな状況ですね」
また、新湊で水揚げされた海産物を販売している「新湊きっときと市場」では、この時期、観光客にアピールするシロエビが入荷しないことに困惑しています。また休漁前から高値が続き、売り場に並べられないほどの日もあるといいます。
レストランでは大型連休までのシロエビの在庫は確保していて、メニューの価格は今のところ据え置きとしていますが、休漁後も不漁が続けば…
新湊きっときと市場 宮 正一料理長
「このメニューが並んでいる中から(シロエビが)外れることもあると思います。せっかくお客さんが楽しみに来ておられますので、できたら希望する商品を提供したいと思ってますので、このあとシロエビが豊漁になることを願っています」
新湊沖でのシロエビ不漁について県水産研究所は、シロエビは生まれた後の水温が生育に影響するとしながらも、今年の不漁の原因は現時点ではよくわからないとしています。
また、漁場でシロエビを採集して生育状況や環境の変化を調べる調査は、例年5月上旬に岩瀬沖で行っている調査に加えて、新湊沖でも行うことを検討しています。
シロエビは富山市の岩瀬漁港では例年並みの水揚げとなっていますが、4月中旬からは減少傾向だということです。
関係者は、水揚げが例年はピークを迎える夏場に向けて、休漁で何とか回復してほしいと期待を寄せています。