AI技術などを使った新たな地域交通の導入が進む富山県内
人口減少で利用者が減る中、買い物や通院の「足」となる地域交通の確保は、各地で大きな課題となっています。県内ではAI技術などを使った新たな地域交通の導入が進む中、存続に向けて地域で支える動きが始まっています。梅本記者のリポートです。
およそ3万人が住む小矢部市で、来月4月から市内全域で本格運行されるオンデマンド交通、「チョイソコおやべ」。市が今後の交通の在り方を見直すため、市営バスに加える形で導入しました。
決まった路線や時刻表はなく、複数の人が目的地に近い停留所まで乗り合わせる仕組みで、ルートなどはAI=人工知能が最適化します。停留所は、全体で330か所で会員になった75歳以上や障害者・免許返納者の家のほか、公民館や公共施設などにも設けています。
これまでに、1300人余りが会員登録をしたということです。市は、4月の本格運行を前に地域交通の”サポーター”を募っています。
この日、小矢部市の担当者らは市内で総合宴会場を運営する企業を訪ねました。
「市内の事業者様から、ご協賛をいただきたいと考えているところです」
協賛した事業者は、スポンサーとして民間停留所を設置することができます。
島津貴之社長
「やっぱり市全体でこれを盛り上げていかないと、やはり高齢者の皆さんの足とかいろんなことを考えると、将来はこのかたちがいちばん望ましいと、私も思いました。お客さんも便利になりますし、私たち企業も大いに助かるところかなと思います」
散居村など住宅が点在する地域では、全域に行き渡る公共交通の維持が大きな課題です。人口減少と高齢化が進み、厳しい財政状況が続く中”地域の足”をどう守のか。市は、関係する人全員で取り組みを進めることが大事だと話します。
小矢部市生活環境課能登啓之課長補佐
「10年20年と、高齢者の方とかも安心して、外に出られるというような、手段として必要不可欠なものだと考えていますので。行政だけでなく、事業者、そして市民の皆さん全体で、参画していただきながら、この公共サービスを維持していくようなことが、非常に大事ではないかと考えています」
暮らしを支える地域交通の存続に向け関係者の模索が続きます。