被災免れた食器を販売 「和倉復興めぐる市」開催へ 商売道具売りに出す旅館の思い
元日の地震で大きな被害を受けた七尾市の和倉温泉で、被災を免れた旅館の食器などが販売されることになりました。なぜ、商売道具を売りに出すのか…主催者の思いを取材しました。
元日の地震の影響で建物が被災し今も休業が続く和倉温泉の旅館 美湾荘。
和倉温泉美湾荘若女将・多田直未さん:
「この辺のものを出そうと思っています」
旅館の若女将 多田さんが見せてくれたのは有田焼などの被災を免れた食器です。今回、多田さんは食器や備品を割安で販売する「和倉復興めぐる市」を企画。和倉温泉の5つの旅館が参加し美湾荘からはおよそ300枚の食器を売りに出すことを決めました。
和倉温泉美湾荘・多田直未さん:
「海鮮のカルパッチョみたいなサラダっぽいものを乗せてたり、これはお刺身を乗せたり、揚げ物を乗せたり色々使っていました」
旅館の再建に向け建物の一部を解体するなかで出てきた食器のほか大切な家具もめぐる市に出品します。
和倉温泉美湾荘・多田直未さん:
「せっかく使えるいいお皿なんですけども、置いておけないとか、そういった理由で、ちょっと他の方に使っていただけるんなら、和倉の品物が『めぐる』、そういう意味で」
あの地震から10か月が経とうとしていますが、21ある旅館の内、一般客を受け入れているのは2つだけです。多田さんはイベントの開催で少しでも温泉街に活気が戻ってほしいと期待を込めます。
和倉温泉美湾荘・多田直未さん:
「本当にお客様との交流、そういったところが今できてないので、そういうことも含めてできればいいなって思ってます。必ず復活して、また、お客様を迎えて活気のある和倉温泉を目指して、そこだけを見て、心の支えにして頑張っています」
めぐる市は11月3日に和倉温泉お祭り会館で行われます。