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「盛り土が原因」能登半島各所で地震後に土砂災害発生 専門家調査で確認

2024年1月24日 20:21
「盛り土が原因」能登半島各所で地震後に土砂災害発生 専門家調査で確認

今回の地震では、能登半島の各所で土砂災害が発生しています。
その中には、盛り土が原因とみられる地すべりが起きていたことが専門家の調査で確認されました。

■JRT山本和也記者
「高台にある住宅街の一角が崩れています。地面ごとずれているように見えます」

七尾市の高台では、元日の地震の直後に発生した地滑りで住宅2棟が倒壊しました。約80メートル四方の地面が崩れ落ちたとみられています。

倒壊した家の近くに住む草さんは、いつもとは違う音に気づいてすぐに現場に駆けつけたと言います。

■近所に住む草嘉嗣さん(83)
「揺れがおさまった時点で(家が)落ちていった。はしごをかけて助けた」

倒壊した家には2人が住んでいましたがいずれもケガはなかったということです。


■草嘉嗣さん
「(地すべり)考えたこともない。高台だから津波の心配もないし」

被災地では地震の後、雨や雪が繰り返し降っています。
地すべりが起きた現場では住民たちが新たな被害が出るのではと不安を募らせています。

高台の住宅街の一角が崩れ落ちたことについて現地を調査した金沢工業大学・環境土木工学科の高原利幸准教授は住宅地の地盤に原因があるのではないかとみています。

■金沢工業大学・高原幸利准教授
Q.住宅地のここだけなぜ?
「ここは50年前にできた盛り土の地区。盛り土にたまった水が地震で液状化のような状態になり抵抗がなくなって動いたと考えられる」

国土地理院の50年以上前の航空写真で今回の現場を確認すると現場の住宅地を造成する際山と山の間の谷の部分を盛り土で埋めたことが分かりました。

■高原准教授
「すべて盛り土で壊れているわけではないが、盛り土で壊れている所が多い。盛り土のすべてが悪いわけではないが時間がたつと排水パイプの不具合などあり、谷地形で水が抜けていなかったとなると液状化のような状態になる」

被災地を調査している高原准教授によりますと今回の地震では盛り土が原因で地すべりが発生した場所が複数あると言います。

■高原准教授
「今後 古くなった盛土で排水機能が低下してきている土地、日本全土にたくさんあるのでそういう場所で地震が起きた時の危険性が高まっているといえる」

高原准教授は、盛り土の被害を防ぐためには全国的な調査と点検の必要性を訴えています。