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【特集】政府の補助金下がりガソリン・灯油・重油”値上がり” 海苔に銭湯…幅広い産業に影響

2025年1月16日 19:45
【特集】政府の補助金下がりガソリン・灯油・重油”値上がり” 海苔に銭湯…幅広い産業に影響

16日から石油元売り業者に対する政府の補助金が下がり、ガソリンは1リットルあたり5円ほどの値上がりとなる見込みだ。
ガソリンだけでなく灯油や重油も対象となるため、幅広い産業に影響が出ている。

16日午前8時。
宮城・石巻で水揚げされたのは、いま旬を迎えている「海苔」。
まもなく最盛期となるが、燃料費の高騰が重くのしかかっている。

その1つが船に使う「ガソリン」。
1日平均120リットル、多い時は200リットルを使うため、1円単位の値上がりでも積み重なると大きな負担となる。

加えて、影響は船以外にも。

伊藤悠貴記者リポート
「きょう収穫されたばかりの海苔が次々と流れている」

収穫した「のり」を乾燥させるために、必要なのが重油。
この加工場での燃料代は、前年の同じ時期に比べて2割ほど高くなったという。

丹一水産・丹野典彦代表
「油を使っている機械類とか。不安は結構(ある)、後継者がいるから。消費者に美味しい海苔を届けたい」

一方、1950年に創業した銭湯「鶴の湯」。
県が許可する一般公衆浴場、いわゆる「銭湯」。
多い日には1日100人ほどが訪れる憩いの場にも、燃料費の高騰が影響している。

6トンのお湯を沸かすボイラーには「重油」を使っていて、1日1万円ほどかかる燃料代は5年前と比べて2倍近くにまで跳ね上がった。

鶴の湯・木村仁則店主
「(燃料費は)高止まり。厳しいよ。だからどんどん銭湯が廃業しているわけ」

入浴料金は大人が480円。
県が一般公衆浴場として許可する県内6か所の銭湯は、固定資産税などが軽減される一方で、料金を自由に決めることはできない。

このまま物価が上がれば経営が成り立たないため、入浴料金の変更に関わる県に値上げを要望するとともに、当面は燃料を節約するために廃材を活用するなどして乗り切っていくと言う。

鶴の湯・木村仁則店主
「来れば皆さん喜んで帰りますからね。いいお風呂でしたって帰られるから、その声が日々の励み。それを続けようということですね」

最終更新日:2025年1月16日 19:55