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【「住民説明会」からわずか5日後の基本合意】住民から困惑や憤りの声 「仙台赤十字病院」と「県立がんセンター」の名取市への移転・統合で「基本合意」(宮城県「4病院再編計画」)

2023年12月22日 20:55
【「住民説明会」からわずか5日後の基本合意】住民から困惑や憤りの声 「仙台赤十字病院」と「県立がんセンター」の名取市への移転・統合で「基本合意」(宮城県「4病院再編計画」)

宮城県が進める4病院再編のうち「仙台赤十字病院」と「県立がんセンター」の名取市への移転・統合について、村井知事と病院関係者が基本合意を交わした。

「住民説明会」からわずか5日後の基本合意に、困惑の声もあがっている。

村井知事「両病院の統合によって、仙台医療圏の南部における新たな拠点病院の整備が実現します。今回の合意が県民にとって有益となるよう、新病院を可能な限りサポートしたいと考えています」

22日午後、宮城県庁では「仙台赤十字病院」・「県立がんセンター」の代表者と村井知事は、統合に向けた基本合意を締結した。

県が進める病院再編計画では、「仙台赤十字病院」と「県立がんセンター」を統合して名取市に移転。

今回の基本合意では、新病院は名取市植松に整備され運営主体を「日本赤十字社」とする。

病床数は400床程度で、2028年度をめどに新病院をオープンするとしている。

日本赤十字社・渡部洋一医療事業推進本部長「仙台赤十字病院のこの地から移転するということは大変心苦しい思いではありますけれども、今後将来にわたって継続的に地域医療を行っていくため、宮城県からのご提案を受け入れました」

県は、12月 仙台市太白区で「住民説明会」を開き、八木山地区の住民からは批判の声が相次いでいた。

「住民説明会」からわずか5日後の基本合意締結。

「仙台赤十字病院」の移転に反対してきた住民は憤りをあらわにした。

八木山連合町内会・広瀬博会長「あの(住民)説明会はなんなのよ。仮に基本合意通りになったとしても、八木山地区の医療をどうするのか。そこを十分に地域の住民の 意見を聞きながらやらなきゃ困る」

仙台市の郡市長は、村井知事から22日午後 基本合意の話を聞いたものの、詳細の説明はなかったという。

郡仙台市長「急遽このような基本合意の締結式ということで、はなはだ遺憾という印象。仙台医療圏として、県がどのような医療提供体制を構築されたいと考えているのか、一切説明はありません。移転ありき、統合ありきだと言わざるを得ない」

村井知事は、基本合意を締結した経緯について、22日 次のように説明した。

村井知事「基本合意の前に住民説明会をということでございましたので、(基本合意が)この日が決まって、その前に住民説明会ということになった。賛否いろいろございますけれども、反対する人の意見もしっかり聞きながらより良いものを目指していきたいと思っています」

県は今後、運営主体となる「日本赤十字社」も参加する「住民説明会」を行い、理解に努めたいとしている。