【会見詳細】基本合意締結「仙台赤十字病院」と「県立がんセンター」<宮城・4病院再編構想>
宮城県の病院再編計画のうち「仙台赤十字病院」と「県立がんセンター」の名取市への統合・移転について、県と病院の代表者らが基本合意を交わした。県が進める「4病院再編」は、「仙台赤十字病院」と「県立がんセンター」を統合して名取市に。「東北労災病院」と「県立精神医療センター」を併設して富谷市に移転するもの。
基本合意では新たな病院の運営主体を「日本赤十字社」として、病床数は「400床程度」で2028年度をめどに新病院をオープンするとしている。
【基本合意「県にとって非常に大きな前進」】
<村井嘉浩 宮城県知事>
「大変にお忙しいところお集まりいただきありがとうございます。仙台赤十字病院と県立がんセンターの統合につきまして、令和3年9月の協議開始以来、日本赤十字社と県に置いて協議を重ね、今年2月の協議確認書取り交わし以降は、県立病院機構を交えた者で令和5年度中の合意を目指して協議を重ねてきた。今回の病院統合は仙台医療圏における救急医療や周産期医療の政策医療の課題解決や、がんを総合的に治療できる病院の実現を目指すものであり、今回、3者での基本合意を締結できたことは県にとって非常に大きな前進。この合意により、立地場所や運営主体など基本事項について決定できたことから、令和10年度の病院開設を目指し、具体的な診療科や人員体制について検討を進めてまいります。両病院の統合によって、仙台医療圏の南部における新たな拠点病院の整備が実現します。今回の合意が県民にとって有益となるよう、新病院を可能な限りサポートしたいと考えています」
【築42年…現地建て替えは困難「県全体の将来を見据えた地域医療に貢献」】
<日本赤十字社 渡部洋一 医療事業推進本部長>
「村井知事から話があったように、日本赤十字社は仙台赤十字病院と県立がんセンターについて、宮城県・県立病院機構と基本合意を交わすに至りました。日本赤十字社の使命はいかなる状況下でも、人間の命と健康を守ることです。今回、宮城県が抱える救急医療や周産期医療の諸問題に関して、赤十字医療施設・公的病院としての役割を踏まえ、仙台赤十字病院が住民の命と健康を守り、いかに地域医療に貢献するかという姿勢で、真摯に協議を行ってきた。現在、仙台赤十字病院の建物は築42年経過している。日本赤十字社としては現地での建て替えを検討してきたが、現在地周辺が仙台市の緑地保全地域ということから、現地の建て替えは困難と判断しました。このようななかで、県からこのような提案をいただいた。病院を利用している患者様、関係者、八木山地域を含む近隣の皆様には長年、病院運営と赤十字事業に対する理解をいただき、支えていただきながらともに地域との関係を培ってまいりました。深く感謝します。統合によって、仙台赤十字病院がこの地から移転することは大変心苦しい思いではありますが、日本赤十字社として宮城県全体の将来を見据えた地域医療に貢献するために。仙台赤十字病院が将来にわたって継続的に地域医療を行うため、宮城県からの提案を受け入れました。新病院は基本合意書に示されていますように、救急・周産期・がん診療・災害医療・新興感染症の5つの機能を中心に運営するよう努めます。日本赤十字社は医療を通じて地域に貢献してく所存です。よろしくお願いいたします。新病院の開院は令和10年度を目標としていて、まだ先です。現在、仙台赤十字病院を利用されている皆様は当面、代わらず診療を続けてまいりますので、ご安心をいただければと思います」
【魅力的でアクティビティの高い病院になるよう尽力】
<宮城県立病院機構 張替秀郎 理事長>
「日本赤十字社と県の基本合意を得たということで、機構としても理事会を開いて決定に従って承認した。県立がんセンターは平成5年からがんセンターとして、がん専門病院として診療に特化してきた。実績として、県内外のがん患者の診療。今いる職員はスペシャリストであります。このスペシャリストと実績は新病院でも診療の柱となると信じている。患者さん、関連する医療機関のみなさんは安心してがんセンターの診療を継続していただければと思います。また雇用している職員の待遇が最優先と考えている。日本赤十字社の本部長からも協議の上で調整と話をいただいていますし、県知事からも全面的に支援いただけるという話をいただいていますので、職員が安心して統合まで職場でいられるよう、仕事に全力を尽くせるよう、環境を整えていきたい。仙台赤十字病院の良いところ、がんセンターの良いところを合わさった、新しい総合病院ができるということで、様々な合併症のがん診療ができる。おそらく研修医とかが集う病院になると期待しています。新しい病院が魅力的でアクティビティの高い病院になるよう尽力して参りたい」