被爆者は?専門家は?長崎でも賛否「平和祈念式典にイスラエル不招待」G7・EU大使出席せず《長崎》
9日、79回目の原爆の日を迎えるナガサキ。
平和祈念式典にイスラエルを招かないとした長崎市の対応について、G7の大使らが懸念を示し、代理人が出席することになりました。
8日の地震を受け、市は式典への影響がないか確認を進めていますが、通常通り実施する意向だということです。
(鈴木長崎市長)
「あくまでもこれは政治的な理由による判断ではないということ。平穏かつ厳粛な雰囲気のもとで円滑に式典を実施したい。こういう思いによること」
8日、長崎市役所で報道陣の取材に応じた鈴木市長。
平和祈念式典へのイスラエルの招待を見送った真意を改めて説明しました。
式典を巡ってはアメリカ、イギリスなど日本を除くG7の6か国とEUの駐日大使らが欠席し、代理人が出席するとしています。
先月25日、長崎市に届いた書簡で、大使らは「イスラエルを式典に招待しないことは、招待されていないロシアやベラルーシなどの国と同列に扱うことになり、残念で誤解を招く」と懸念を示したうえで「イスラエルが除外された場合、我々も高官の参加は難しくなる」としていました。
鈴木市長は先月31日、イスラエルを招待しない考えを明らかにしています。
(鈴木長崎市長)
「紛争当事国であるからこそ呼ぶべきだというふうに私自身としては思っていて。大変残念ではあるが、総合的に判断して招待状の発出を差し控えさせていただくことになった次第。その判断に変更はない」
鈴木市長は書簡を受け取った後、G7やEU、イスラエルなどの関係者に口頭で理解を求めたということです。
こうした状況に被爆者や核軍縮の専門家は。
(長崎原爆被災者協議会 田中 重光会長)
「今、戦争して人殺しをしている、核で脅しをかけている。そういう戦争中の国が(式典に)参加して、亡くなった被爆者たちは喜ぶのか。喜ばないと思う。市長がとった態度は正しいと思う」
(被爆4世 川端 悠さん(19))
「アメリカの方々も平和祈念式典に参加してもらうことで、知るきっかけにもなったと思うので、非常に残念」
( 長崎大学核兵器廃絶研究センター 中村 桂子准教授)
「イスラエルも含めロシア、ベラルーシも含めて、長崎としての姿勢としては対話の場を提供するというふうにすべきだった。ナガサキとして、発すべきメッセージが明確に出ていないところは少し残念」
9日の式典には、過去最多となる101の国や地域の大使らが出席する予定です。