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不足する洋上風力発電に関わる技術者 学びの場に  国内最大「人材育成センター」長崎市に開所《長崎》

2024年11月7日 18:45
不足する洋上風力発電に関わる技術者 学びの場に  国内最大「人材育成センター」長崎市に開所《長崎》

五島市沖をはじめ、全国各地で計画が進められている 洋上風力発電。

現在、課題となっているのが、専門の知識や技術を持った人材です。

設置やメンテナンスに携わる技能者を育てようと、国内最大の「人材育成センター」が長崎市に開所しました。

長崎市・伊王島に6日、開所した「洋上風力人材育成センター」。

海洋開発分野の人材育成に取り組んでいる日本財団が、約30億円をかけて整備しました。

(日本財団 海野光行 常務理事)
「国内最大の洋上風力技能者の安全訓練施設。人材不足解消に貢献していく」

全国各地で計画が進められている洋上風力発電。

県内でも、国内で初めての商用運転が行われた五島市沖や西海市江島沖が、国から「促進区域」の指定を受けています。

島国・日本における再生可能エネルギーの「切り札」とも言われている一方で、課題となっているのが 洋上風力に携わる人材の不足です。

2030年には1万5700人が必要になると推計されていますが、現在は約5000人。

さらなる普及のためには、人材育成が急務とされています。

そこで、6日に開設された「人材育成センター」では、洋上風力の設置工事や運転、メンテナンスなどを行う技能者を育てます。

県や長崎大学、民間企業などで作るNPO法人「長崎海洋産業クラスター形成推進協議会」が運営。

洋上風力発電の現場で必要な 国際認証の資格を取得できます。

長さ12.5m、幅7.5mのプールで行われるのは、作業中に海に落下したり、火災などで海に避難する場合を想定した訓練。

また 高い場所での救助を想定した訓練ができる設備も備えています。

(洋上風力人材育成センター 松尾 博志 施設長)
「タワーの中で下に落ちてけがをした人を、ヘリコプターで救助できる場所まで引き上げる。救急車の人が上まで来るのは何時間もかかるから、ヘリコプターが来たらすぐに乗せられるまでは自分たちでやらないといけない」

すべてのコースが日本語と英語で受講でき、年間1000人の受け入れを見込んでいます。

(日本財団 海野光行 常務理事)
「企業に勤めている社会人が受講するのもあるし、あとは外国人、人口減少の中で、外国人の受け入れも一つの課題なので、作業員としてちゃんと働けるような技術を持つのは大事」

来年度末には、さらに高度な技術者、技能者を養成する「技能訓練棟」が完成するほか、再来年度には実際の海域では初となる “船から風車に移る訓練” を実施できる施設も高島沖に完成する予定です。

最終更新日:2024年11月7日 19:53