一糸乱れぬ “櫂さばき”「伝統の福田ペーロン」意地と誇りをかけ さらなる “高み” へ《長崎》
長崎の夏の風物詩「ペーロン」。
長崎港で開催される大会に向け、各チームの練習も熱を帯びています。
意地と誇りをかけ、頂点を目指す “福田ペーロン” のチームにカメラが密着しました。
櫂を持つ手を深く、そして速く。
心を一つに、前へ前へ。
江戸時代初期、中国から長崎に伝わったペーロン。
海の神の怒りを鎮めようと 漁師たちが競漕したのがはじまりとされています。
▼地域の絆を深めてきた「伝統のペーロン」
5月。長崎ペーロン選手権大会まであと70日となったこの日。船倉庫の前に続々と集まるのは、長崎市の福田東部チーム。18歳から41歳の35人のメンバーです。
大会に向け、3月から練習を始めました。
これまでの大会最高順位は4位。今年はさらなる高みを目指します。
(中村敬博 監督)
「気を抜かず、頑張りましょう。まず走ります」
基礎となる「体力づくり」。
太いロープを波打たせて行うトレーニングは、若手メンバーにもこたえるようです。
(中村敬博 監督)
「動きを大きく、大きく」
(メンバー)
「まだ?」
「ハァハァ」
船に乗り込んでも、体力づくりは続きます。
大きな櫂を手に漕いでも漕いでも、船は進みません。
漕ぎ手に負荷をかけるため、ロープでつながれているのです。
伝統の練習法「岩おこし」です。
(中村敬博 監督)
「今はまだまだですね。とりあえず、体力と櫂を合わせることをメーンで頑張っています」
ペーロンの乗り手は30人。漕ぎ手は左右に13人ずつで、先頭を漕ぐ「一番櫂」は、ペーロンの花形です。
(中村敬博 監督)
「潮切りというぐらいの漕ぎをしてもらいたい。前の重い潮を漕いで、後ろに軽くするような漕ぎ」
メンバーの中には、屈強な男たちに引けをとらない迫力を見せる 女性の姿も。今回、3人が参加しています。
鷲池芹奈さん「根性で漕いでいます。練習はすごくきついですけど、乗りたくなる」
ペーロンの機動力となるのは、漕ぎ手だけではありません。