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原告らが一定評価「風穴は開けた」被爆体験者訴訟 鈴木市長と大石知事は厚労省に救済を要請《長崎》

2024年9月10日 18:45
原告らが一定評価「風穴は開けた」被爆体験者訴訟 鈴木市長と大石知事は厚労省に救済を要請《長崎》

国が定める被爆地域の外で原爆にあった「被爆体験者」らが、10日、市と県の担当者に対し、勝訴した原告に、速やかに被爆者健康手帳を交付するよう要請しました。

被爆者認定を求めた裁判では長崎地裁が9日、一部の原告を被爆者と認める判決を出しています。

被爆体験者ら44人が被爆者として認定するよう求めた裁判では、長崎地裁が9日、旧矢上、古賀、戸石の3つの村で「黒い雨が降った」と認定し、この地域の原告15人について、被爆者健康手帳を交付するよう命じる判決を言い渡しました。

(原告団長 岩永 千代子さん(88))
「私たちにとってはまず朗報。15人が(勝訴した)。市も県も控訴しないと思っている。信じている」

原告らは10日「風穴は開けた」と一定評価し、勝訴した15人については判決を受け入れ、手帳を速やかに交付するよう長崎市と県に要請しました。

一方、残る29人は被爆者と認められず “新たな分断を生んだ” として、全員の救済に向け、国と協議を進めるよう求めました。

(原告 山内 武さん(81))
「裁判に勝った人だけじゃなくて、12キロ圏内にいた者は被爆者だと。今まで通り国に訴えて、どうにか突破してほしい」

鈴木市長と大石知事は11日、上京し厚生労働省に救済を要請する予定です。

国は、岸田総理が先月「合理的な解決」に向けた具体的な対応策を調整するよう武見厚生労働大臣に指示していますが、大臣は10日に、県と市との協議について、いつまでに結論を出せるかは「明言できない」としました。