どこからか岩場に流れ着いた大量のロープ 有志が立ち上がり撤去作業 観光遊覧船のスクリューにも絡みつく危険性も 鳥取県岩美町
鳥取県東部の景勝地として親しまれている浦富海岸。そこに流れ着いた大きなごみの撤去作業が、5月19日にボランティアによって行われました。
山陰有数の景勝地、鳥取県岩美町の浦富海岸をめぐる遊覧船。潮風を浴びながら複雑な入り江を近くで楽しむことができると、これからの時期、人気の高まる観光船です。そんな景勝地で困ったことがー。
三好亜美 記者
「美しい景色が楽しめるこちらの遊覧船から見える海岸に、昨日まで大量のロープが流れ着いていました」
岩場に絡みついた大量のロープは、漁業に使われるものと見られますが、どこからか流れ着き、5月初めごろに発見されました。ロープが発見された場所は、遊覧船のコースにもなっていて、そのままにしていると景観を損なうだけではなく船のスクリューに絡みついてしまう危険もー。
そんな漂着物をなんとかしようと集まったのが、この近くでよくスタンドアップパドルボードなどのアクティビティを楽しんでいるという9人のボランティア。
ボランティア
「こういうゴミ、こんなに大きいのは見たことないです」
「持った感じはそんなに重いことはないですけども、全体としては水の重さがあると思ったらすごいですよねー」
1本の長さが20m近くあり、ロープが海に浸かって重くなっている上、絡み合っているので、なかなか引っ張り上げることができません。
ボランティア
「ひっぱっていたら全体が緩みだしました」
根気よくひっぱると、少しずつ緩みだしたロープ。そして格闘すること1時間半。
ボランティア
「お疲れ様でした!やったー!」
全部で合わせて500mほどもある大量のロープが無事に岩から撤去されました。
ボランティア
「なかなか疲れましたねもうー。大変でした」
「不法投棄っていうことはないと思いますけど、そういうのはどうなのかと思ったりします。これ誰もとってくれないので、夏の間ずっとあったら嫌だな って」
浦富海岸でマリンスポーツなどの体験ツアーを行っている中谷さんは、定期的に海岸清掃を行っているといいます。
Tottori Blue 中谷英明 代表
「難敵でしたね。ないです、こんなのは。これ誰かのものなんですよ。誰かのものだったのが流れ着いてきたので、アピールすることによって海でごみを出すことで海を汚していることを世の中にアピールしていきたい と思います」
今回、海岸をよく利用する有志によって片付けられた大量のロープ。すぐ近くを運航する浦富海岸遊覧船の関係者はそのごみの厄介さを嘆いています。
山陰松島遊覧 川口博樹 社長
「船が走ってるときに船のスクリューに巻いたりするという恐れがあります。ロープがスクリューに巻くと船のエンジンが止まってしまって、遊覧船が航行不能になりますので、すごく大変なことになります。一部(海に)ごみを捨ててしまう方もあると思いますので、みんな一緒にきれいな景観を守っていただきたいと思います」
鳥取県はこうした海の漂着物は市町村や海上保安庁と協議し撤去を進めていきたいとしています。減らない海の漂着物。一人一人が自分事として考える必要があります。