「2024年問題」への対応としても期待 中国地方“初” 境港で海外への輸出を活発化させるための実験始まる 鳥取県境港市
神戸港経由の海外輸出のさらなる弾みとなりそうです。鳥取県境港市の境港では、日本海側の港から海外への輸出を活発化させるための輸送実験が1月23日から始まりました。
境港の国際コンテナターミナルでは、韓国への輸出以外に2年前から、神戸港を経由した海外輸送が週に一度行われています。
1月23日から始まった実験は、国土交通省が、この海上輸送をさらに活発化させようと初めて行ったものです。これまでは温度差があったため同じコンテナで運ぶことが出来なかった冷凍と冷蔵の農林水産品や食品を一緒に運ぶことが出来るかという検証が行われました。
輸送実験では、0℃から5℃前後の温度管理が必要な冷蔵食品の温度が下がりすぎないように保冷剤の量などを調整して梱包されました。そして、高さ2.5m、奥行き6mある専用のコンテナいっぱいに氷点下20℃で温度管理されている冷凍食品と一緒に積め込まれ、国際コンテナターミナルまで運ばれました。
このコンテナは、1月24日神戸港に向け海上輸送された後、別の貨物船で香港に運ばれることになっていて、この間、それぞれの温度管理が徹底されていたか、また、香港に届いた輸出品の品質に問題がなかったかなどが検証されます。
国交省境港湾空港整備事務所 安藤和也さん
「山陰地域で生産される農林水産物や食品も海外で評価されていると伺っています。ポテンシャルもかなり高いと考えていますので、今後も輸出を増やしていただければと考えています」
海上輸送が活溌化されれば、トラックなどの物流が停滞する「2024年問題」への対応としても期待されています。
国交省境港湾・空港整備事務所安藤和也さん
「今まではトラックを中心にした陸上輸送で運ばれているケースが多くなっていますが、”2024年問題”を控えているので海上輸送の活用も考えていただければと」
コンテナターミナルや事務所等このような輸出に向けた輸送実験は、中国地方では初めてということです。実験の成果が確認されれば、国土交通省では採算や需要などもふまえた上で神戸港への海上輸送を週1便から週2便にして、境港からの海外輸出の促進につなげたいとしています。