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3月から運用が始まる「マイナ免許証」 手続きの簡略化や更新手数料が安くなるメリットも 一方で懸念点も…

2025年1月21日 18:07
3月から運用が始まる「マイナ免許証」 手続きの簡略化や更新手数料が安くなるメリットも 一方で懸念点も…

中山紗希 アナウンサー
「今年3月から運用が始まる『マイナ免許証』について、取材した司法担当の中本記者とお伝えします。マイナンバーカードと運転免許証が一体化されるんですよね?」

中本帆乃花 記者
「はい。今年3月24日から、『デジタル社会の実現に向けた重点計画』のため『マイナ免許証』の運用が始まります」

中本記者
「『マイナ免許証』とは、皆さんが持っている有効なマイナンバーカードのICチップに免許情報が記録されるものです」

「記録されるのは免許の有効期間の末日や条件、種類、顔写真など。これらの情報は今後警察庁が配信する『マイナ免許証読み取りアプリ』をインストールすることで確認することができます。マイナンバーカード1枚で運転免許証にもなり、いくつかのメリットがあります。警察に話を伺ってきました」

■マイナ免許証のメリットとは?

鳥取県警交通部運転免許課 室永宏道 次席
「住所変更が楽になるワンストップサービスやオンラインで更新時講習の受講ができるようになるなどのメリットがあります。転勤の多い人や大学等の進学で県外に行き、就職でUターンする可能性のある学生など、住所変更の機会が多い人は『ワンストップサービス』は非常に便利です」

中山アナ
「まず、『ワンストップサービス』とはどういうことですか?」

中本記者
「事前に電子証明書を警察に提出の上、市町村役場に届け出をすれば改めて警察に行く必要がなくなるという制度です」

中山アナ
「これまでは、警察署で手続きを行っていましたもんね」

中本記者
「そして、もう1つが『オンラインで免許更新の講習が受けられる』ことです」

中山アナ
「これまでは、免許センターなどで対面での講習でしたよね?」

中本記者
「マイナ免許証だと、24時間いつでも隙間時間にスマートフォンやパソコンで講習を受けることができるというものです。ただ、受講できるのは、2025年3月24日以降に誕生日を迎える人、免許更新を受けようとする70歳未満の人、優良・一般ドライバーの人という条件があります。優良・一般ともに一律200円という比較的安い受講料というのも1つのメリットです」

中山アナ
「でもオンラインだと『ながら見』なんかができてしまうのではないですか?」

中本 記者
「はい、そういった声もあると思うのですが、生体認証と顔認証の機能でしっかり受講状況が記録されると言います。また、講習の合間にテストが出てくるため『ながら見』などで受講したように見せかけることはできないようになっています」

※オンライン講習の受講後、運転免許センターなどに足を運び、視力検査や写真撮影、免許情報の更新を行う必要があります。

中山アナ
「このマイナ免許証、3月から全員が置き換わるということですか?」

中本記者
「いえ、3つのパターンがあります。1つは従来の『免許証のみ』を持つ、2つ目は『マイナ免許証のみ』を持つ。3つ目は『従来の免許証とマイナ免許証』の2枚持ち。この3つ、どれを選択しても構いません」

中山アナ
「それぞれ更新手数料が違うんですね」

中本記者
「はい。前回行われた手数料の定期改訂以降の物価変動と、2019年10月に消費税が8パーセントから10パーセントに引き上げられたことが、手数料の増額に影響しています。一方で、『マイナ免許証』は既存のマイナンバーカードに免許情報を記録することになるため、カード代やインク代などが不要になり、その分安く抑えられるということです」

■マイナ免許証の懸念点は?

中山アナ
「一方で、懸念点はありますか?」

中本 記者
「はい、考えられることとしては『免許情報が一目でわからない』こと『紛失した際にマイナンバーカードの再発行に日数を要する』ことがあげられます」

鳥取県警交通部運転免許課 室永宏道 次席
「免許情報が一見できないことに対する不安、紛失時にマイナンバーカードの再発行に日数を要するため運転時に免許証不携帯などの恐れがあるデメリットがあることから、皆さんのニーズに合った保有形態を選んでいただけたらと思います。あらかじめどの保有形態にするかを決めてから更新手続きにくるようにお願いします」

中山アナ
「確かにマイナンバーカードには、住所などの情報しか載っていませんもんね?」

中本記者
「免許情報については、有効期限は3月24日までに警察庁が配信するアプリや更新はがきで確認する必要があります。また、保有形態で『マイナ免許証のみ』を選んだ人が紛失した場合、免許証不携帯となりますが、各地区の免許センターに免許証の再発行の手続きを行えば即日免許証が発行され、車の運転は可能となります。ただマイナンバーカードについては、再発行に日数が必要となります」

中本記者
「改めてですが『マイナ免許証』は義務ではないため、これまでの免許証でも可能です。なお、マイナ免許証の更新は鳥取県では東中西部の免許センターで、島根県では松江、浜田の免許センターと、松江警察署、浜田警察署を除く各警察署で行うことができます。『マイナ免許証』も1つの選択肢として考えてはいかがでしょうか」

最終更新日:2025年1月21日 18:19