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「得意なこと生かせる仕事」保護された少年の親族が経緯語る ミャンマー国境“犯罪拠点”

2025年2月26日 11:22
「得意なこと生かせる仕事」保護された少年の親族が経緯語る ミャンマー国境“犯罪拠点”

ミャンマーの国境地帯にある犯罪組織の拠点から、2月に保護された16歳の少年。少年の親族が取材に応じ、誘われた経緯など語りました。

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「日本の今の環境から逃げ出したかった。お金を稼ぎたかった」

警察の事情聴取に対し、こう話している愛知県に住む16歳の男子高校生。自ら“闇バイト”に応募したとみられ、行き着いた先がミャンマーの国境地帯にある、いわば“犯罪の街”でした。

田中純平記者(タイ・メソト)
「愛知県の16歳の少年は、この先に見えるシュエコッコという地域で詐欺行為に加担させられていたということです」

ミャンマーとタイの国境地帯に点在する、中国系犯罪組織の拠点。捜査関係者によると、少年はその1つ、シュエコッコ近郊にいたといいます。

その“犯罪拠点”の様子はというと、窓に鉄柵がはめられた、まるで刑務所のような建物。少年は、このあたりに監禁され、「かけ子」として特殊詐欺に加担させられていたとみられています。

愛知の男子高校生(16)
「命令に背くと電気ショックを受けた」

街中で目立つのが “中国語”。カンボジア国籍の中国系マフィアが率いる「ヤタイグループ」が仕切っているとみられる拠点です。

捜査関係者によると、少年は「拠点のトップは中国人で、台湾出身の日本語の通訳がいた」と説明。さらに、少年は警察の事情聴取に対し、現地で解放される際、中国語を話す男から通訳を介して「ミャンマーでのことは言ってはいけない」などと口止めされたと話していることが、新たに分かりました。

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日本人を含む1万人以上の外国人が監禁され、詐欺行為に加担させられているとみられるミャンマーの“犯罪拠点”。少年は 去年12月、SNSでつながった人物から海外での仕事に誘われて、海を渡ったといいます。どのように誘われたのか?

少年の親族が取材に応じました。

少年の親族
「(少年は)プログラミングが得意だった。弱みを握られたわけではなく、得意なことが生かせる仕事があると誘われた」

誘い文句は“得意なことを生かせる仕事”だったといいます。しかし 実際は…

愛知の男子高校生(16)
「ノルマを課されて、電話をかけてだます仕事をして報酬を得ていた」

SNSでつながった人物から別の人物を紹介され、渡航の段取りを指示されたという少年。「頑張り次第で稼げる」「渡航費や現地での滞在費もかからない」などと言われたということです。

“言葉巧み”に実行役を誘い込んだとみられる詐欺グループ。警察が実態の解明を進めています。

最終更新日:2025年2月26日 11:22
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