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「合理的な配慮」の義務化…不当な差別の解消に「ハード面だけでは不十分」さまざまな障害に対応したサポートで「壁」を取り除くことに必要な事とは? 鳥取県鳥取市

2023年11月18日 6:00
「合理的な配慮」の義務化…不当な差別の解消に「ハード面だけでは不十分」さまざまな障害に対応したサポートで「壁」を取り除くことに必要な事とは? 鳥取県鳥取市

気になる話題を取り上げる「読み解く」のコーナーです。

(小林アナ)
今回のテーマは障害のある人に対する不当な差別的扱いをなくそうという動きについてです。「障害者差別解消法」が改正されて来年4月から全ての事業者に「合理的配慮」の提供が義務化されます。

「障害」と一言で言っても、その方ひとりひとりの状況が違うので、さまざまなアプローチがあります。一体、どのような配慮が必要なのか。積極的に、障害のある人の壁を取り除こうとする施設を取材してきました。

■鳥取市の施設の取り組みとは?

鳥取市のとりぎん文化会館の受付には、車いす利用者のため低くなった机や、筆談でコミュニケーションを取るためのボードが設置されています。

その中にあるのは、「UDトーク」と呼ばれる見慣れない装置がー。

左半分のモニターの文字が反転しています。この装置を挟んで向かい合って手前からも奥からも文字が読み取れるようになっています。

例えば、キーボードで「トイレはどこか」を聞いてみると…

とりぎん文化会館施設運営室 田中勲室長
「はい、トイレはですね、梨花ホールのロビー1階になります。この受付のカウンターから…」

喋ったことがすぐに文字に反映される仕組みで、聴覚に障害がある人とのコミュニケーションをサポートします。

また、施設内には目が不自由な方も安全に利用するための工夫もー。

小型の受信機を持ってトイレに近づくと音が鳴り出します。その状態でボタンを押すと…

音声案内アナウンス
「こちらは会議棟2階南側トイレです」

音声案内が流れ始めました。館内の5か所のトイレや階段などに対応しています。点字ブロックだけでは不十分な場所で役立ちそうです。

ただ、こうしたハード面を整えるだけでは不十分だといいます。

とりぎん文化会館施設運営室 田中勲室長
「やはりソフト面ですね。利用者の方の目線に寄り添うような対応の仕方。それを人材育成も含めて考えていきたいと思います」

■負担になりすぎない範囲で必要な配慮を…

(小林アナ)
「とりぎん文化会館」はさまざまな機器を、県内でまず実験的に取り入れてみるという場所としても使われているそうです。

(神岡アナ)
半年後には合理的配慮の義務化ということですが…全ての店舗などでこうした機器を導入するのは大変じゃないですか?

(小林アナ)
もちろん、多くの場所で全ての人が利用しやすくなるのが理想的ではあるのですが、「合理的配慮」というのはハード面を整えるということに限りません。

障害者から「社会的なバリアを取り除いてほしい」と求められた時、負担になりすぎない範囲で必要な配慮を行うことと定められています。

例えば「飲食店で車いすのまま着席したい」と申し出があったら備え付けの椅子を片付ける、「文字の読み書きに時間がかかるのでセミナー参加中に板書を書きうつす時間が足りない」という申し出に対して、書き写す代わりにカメラやスマホで撮影可とする等が「合理的配慮」にあたります。

障害のある人にとって何が問題なのかをまず知り、対話をしながらお互いに解決策を検討していくことが重要になります。

全ての事業者が対象ということで、業種によっても必要な対応は異なると思います。来年4月の義務化までにそれぞれどういった問題が生じる可能性があるのか、洗い出しておくことも必要かもしれません。

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