五所川原市の窯元津軽金山焼がインバウンドの回復を受け外国人観光客に人気です。海外からのお客さんを受け入れ世界へ発信しようと助っ人の力も借りながら対応強化に努めています。

五所川原市の窯元、津軽金山焼。県内外から毎日たくさんのお客さんが訪れますが、このところ増えているのが外国人観光客です。この日は大型クルーズ船「ダイヤモンドプリンセス」で日本にやってきたアメリカ人などが大型バスで訪れました。

案内しているのはフィリピンから津軽金山焼を学ぶためにやってきた長期滞在中の研修生プレシウスさんです。ツアーはおよそ1時間、まずは窯場を見学しながら津軽金山焼の特徴などについて学びます。製作の現場ではろくろを使って陶器の形ができあがっていく様子にくぎ付けです。

見学のあとはお買い物タイム。器やコップのほかにも招き猫や五重の塔、カッパの置物など日本ならではの商品も人気です。津軽金山焼を訪れた理由や感想を聞いてみると…。

★アメリカから
「日本の焼き物がどのように作られるか興味があってこちらへ来ました」
「説明も親切でわかりやすくてとても楽しめました　金山焼ができあがる過程も興味深かったです」

人気の理由はやはり「日本らしさ」にあるようです。津軽金山焼ではことしに入り海外からの利用客が去年の1.5倍以上に増えていて、今年度から店内のあちこちに英語で書かれた案内板の設置を進めています。さらに現在力を入れているのがスタッフの英会話です。

英語を話せる職員やフィリピンからの研修生のプレシウスさんが中心となって、津軽金山焼の特徴や魅力を英語で伝えられるように努力を続けています。

★スタッフに英語指導する　仮屋園真紀さん
「外国からのお客さんは短い滞在時間なので その時間を有効に楽しく使っていただければうれしい」

研修生のプレシウスさんは、去年の9月から津軽金山焼が設けた2年間の留学制度を使って滞在しています。2015年ころにもここで1年半の研修生活を送っているので今回が2度目の長期滞在です。将来、国へ戻ったら津軽金山焼のような自分の窯を持つことを目標に陶器作りを学んでいます。

こちらはプレシウスさんが作った人型のプランターです。オリジナリティあふれる作風で人気商品となっています。

★フィリピンからの研修生　プレシウス・パノーレさん
「自分のためにやりたいことを自由にやっていいよと言っていただいていて自分の芸術家としての技術はすごく向上していると思います」

外国人観光客の案内をしながら日本人スタッフに英語を教え日本の陶器を学ぶプレシウスさん。青森で充実した日々を過ごしています。

★プレシウス・パノーレさん
「私自身がここが大好きなので海外から来ているお客さんが楽しんでいるのを見るとすごくうれしいです」

海外からの人気が高まる津軽金山焼。外国人研修生の力も借りながら世界中から注目される名所をめざします。