【青森県豪雪災害】被害情報まとめ 死傷者114人・建物被害84棟・新たに学校施設や国重要文化財被害も・10市町村に災害救助法適用(15日午後4時半更新)
この冬の青森県内は記録的な大雪により被害が相次いでいます。
地域防災情報として大雪関連の情報やニュース、気象庁が発表する気象予報などを集約して掲載します。
情報は随時更新します。
「災害救助法」 10市町村に適用
[対象]
青森市・弘前市・黒石市・五所川原市・平川市・藤崎町・大鰐町・板柳町・鶴田町・田舎館村
市町村が負担した費用について、国と県が負担軽減を実施
想定される救助の種類
・避難所の設置
・障害物の除去(倒壊の恐れがある住家等の除排雪)
・災害ボランティアセンター運営・調整
※雪によって県内で災害救助法が適用されるのは2012年以来13年ぶりです。
<各市町村の相談窓口>
青森市:017-734-5059 危機管理課
弘前市:0172-40-7037 福祉総務課
黒石市:0172-52-2111 福祉総務課
五所川原市:0173-35-2111 防災管理課
平川市:0172-55-5739 総務課
藤崎町:0172-88-8295 総務課
大鰐町:0172-48-2111 総務課
板柳町:0172-73-2111 総務課
鶴田町:0173-22-2111 福祉介護課
田舎館村:0172-58-2111 総務課
人的被害(県発表 1月15日9時判明分)
死亡 7人
(要因:屋根の雪下ろし 6人)
重傷 31人
軽傷 78人
傷病程度調査中 0人
計 116人
建物被害(県発表 1月14日判明分)
■住家
全壊 0件
半壊 3件
一部損壊 22件
総計 25件
■非住家
全壊 31件
半壊 21件
一部損壊 36件
総計 88件
交通の状況(県発表)
■JR奥羽本線 大館駅~弘前駅間(1月11日始発~運転再開)
■弘南バス 一部迂回運行
【迂回停留所】土堂線:栄町3丁目、児童公園前、栄町2丁目
JAFロードサービス実施状況(暫定速報値)
12月28日~1月6日期間合計 1,353件(前年545件、前年比808件増248%)
農林水産関係被害(県発表)
■農作物被害
りんご枝折れ 6市町(青森市、弘前市、平川市、藤崎町、大鰐町、板柳町)
もも枝折れ 1市(平川市)
■農業関係施設被害
パイプハウス 12市町村84棟(弘前市、平川市、藤崎町、大鰐町、田舎館村、五所川原市、つがる市、板柳町、鶴田町、七戸町、東北町、六ヶ所村)
農業用倉庫 3町3棟(鰺ヶ沢町、板柳町、鶴田町)
■畜産関係施設被害
牧草保管庫 1棟(東北町)
牛舎付帯施設 1棟(青森市)
■学校施設
屋根、シャッター等の破損 3市町3校(青森市、平川市、板柳町)
・青森中央高校
渡り廊下の風除室が破損、屋根が一部破損
・小阿弥小学校
窓ガラス屋根一部破損
・柏木農業高校
穀物乾燥調整室のシャッター、引き戸破損、機械整備室のシャッター窓ガラス破損
※その他、軽微な被害(窓ガラスの破損のみ等)報告多数あり。
■文化財被害
・屋根、門等の破損4市、12施設(青森市、弘前市、黒石市、平川市)
・倒木、枝折れによる破損2市1町、4件(弘前市、黒石市、藤崎町)
・青森市
旧坪田家住宅の日差し破損
・黒石市
こみせ通り一部住宅屋根破損、高橋家住宅の軒が破損
・平川市
清藤氏書院庭園の板塀と門が破損
・弘前市
弘前城二の丸、仲町伝統的建造物の住宅一部破損、最勝院五重塔の防護柵破損、旧第8師団官舎の窓ガラス、岩木山神社社務所の板が破損、翠明荘の門の屋根破損
※各施設の被害額は調査中
県・市町村の本部設置状況(県発表)
青森県:1月4日 豪雪対策本部
青森市:1月4日 豪雪災害対策本部
弘前市:1月3日 豪雪対策本部
黒石市:1月6日 豪雪警戒対策本部
五所川原市:1月6日 豪雪対策本部
つがる市:1月6日 豪雪警戒連絡会
平川市:1月3日 豪雪対策本部
鰺ヶ沢町:12月24日 豪雪対策本部
西目屋村:1月4日 豪雪対策本部
藤崎町:1月6日 豪雪対策本部
大鰐町:1月3日 豪雪対策本部
田舎館村:1月3日 豪雪対策本部
板柳町:1月2日 豪雪対策本部
鶴田町:1月6日 豪雪対策本部
中泊町:12月26日 豪雪警戒本部
東北町:1月6日 災害情報連絡室
七戸町:1月6日 豪雪対策本部
六ヶ所村:1月6日 豪雪警戒本部
除排雪支援マッチング(県発表 1月10日時点)
<建設業協会からの支援>
■上北支部
除雪ドーザ(18t 1台、7t 1台)
ダンプトラック(10t 9台、4t 13台)
トラクタショベル(13t 1台、8t 2台)
■三八支部
ダンプトラック(10t 17台、4t 5台、2t 2台)
トラクタショベル(1.0㎥ 1台、0.6㎥ 1台)
■下北支部
ダンプトラック(10t 16台、4t 6台)
■西北支部(西津軽郡エリア)
ダンプトラック(4t 8台、2t 1台)
小計 ダンプトラック77台、除雪機械7台
<国土交通省からの支援>
除雪トラック
除雪グレーダ
ロータリ除雪車
除雪ドーザ
雪庇処理車(ホイール式)
凍結抑制剤散布車
小型ロータリ
※要望に応じて台数を検討
<市町村からの支援>
■八戸市
除雪グレーダ 2台
除雪ドーザ 1台
■六ヶ所村
雪捨て場(2か所)
■むつ市
ロータリ除雪車 2台
除雪ドーザ 2台
ダンプトラック 17台
小型ロータリ 3台
トラクタショベル 9台
ロータリ付きドーザ 1台
■横浜町
ロータリ除雪車 1台
除雪ドーザ 1台
ダンプトラック 9台
■階上町
ダンプトラック 17台
■新郷村
ロータリー除雪車 1台
除雪グレーダ 1台
■雪捨て場候補地 計20か所 185.6万㎡
■ダンプトラック駐車場候補地 計294台分
<マッチング結果>
第1弾 県建設業協会(下北支部)→青森市ダンプ(1/14~1/15)10tダンプ16台
県建設業協会(下北支部)→黒石市(1/7~1/11)4tダンプ6台
第2弾 県建設業協会(上北支部)→青森市(1/11~1/13)10tダンプ3台
県建設業協会(西地方支部)→板柳町(1/13~1/15)4tダンプ5台
県建設業協会(西地方支部)→鰺ヶ沢町(1/13~1/15)4tダンプ3台、2tダンプ1台
県建設業協会(三八支部)→田舎館村(1/10~1/14)4tダンプ4台
第3弾 県建設業協会(上北支部)→青森市浪岡(1/14~1/31)10tダンプ5台
県建設業協会(三八支部)→弘前市(1/10~1/13)10tダンプ12台
累計台数 55台
市町村別被害
■青森市(10日午前8時半現在)
・人的被害37人
死亡2人(屋根雪等の落下2人)
重傷8人(屋根雪等の落下4人、屋根・はしごからの転落2人、除雪作業中の転倒1人、その他1人)
軽傷27人(屋根雪等の落下6人、屋根・はしごからの転落17人、除雪作業中の転倒1人、その他3人)
・建物被害 40件
住家 4件(半壊1 一部損壊3)
非住家 14件(全壊5 半壊6 一部損壊3)
公共施設 22件(全壊1 半壊1 一部損壊2 その他5 調査中13)
・道路冠水 15件
・道路への倒木、枝折れ 18件
・農業施設被害 3件
■弘前市(10日午後10時現在)
・第八師団長官舎(弘前市公)の屋根瓦が一部破損
・弘前市斎場において樋の口へ通じる階段周辺樹木枝折れ
・ごみ収集の取り残しや車両スタックが発生
・屋根雪落による窓ガラス破損や折れ
・市施設の軒破損・変形、窓ガラス破損
・パイプハウス被害(全壊7棟)
・鶏舎2棟全壊
・一部りんご園地にて幹折れ被害確認
・空き家等一部倒壊
・弘前公園内の倒木等被害6本新たに発生
・その他、倒木により弘前公園内設備ついて複数被害
・弘前公園内における12月1日~1月10日までの通算被害状況…倒木:23本、幹折れ34枝多数
・落雪により窓ガラスや学校設備の破損複数
・その他、敷地内樹木枝折れ複数
・複数の公民館にて落雪よる窓ガラス破損被害
・名勝「瑞楽園」内の石造鳥居笠木割れ被害
■平川市(10日発表)
人的被害 重傷1件 軽傷2件
住家被害 一部損壊4件
農業施設被害 パイプハウスの全・一部倒壊18棟(9,801千円)
農作物被害 アスパラなど(177千円)
■弘前市 災害ボランティアセンター
窓口:社会福祉法人弘前市社会福祉児湯議会
連絡先:0172-33-2039または090-4234-9396
※活動にはボランティア登録フォームまたは電話での事前登録が必要(当日飛び入り参加は不可)
■青森県防災ボランティア情報センター
窓口:青森県交通・地域社会部地域生活文化課
連絡先:017-734-9126(専用電話)
12月28日からの大雪に関して被災中小企業・小規模事業者支援措置
青森県特別保証融資制度経営安定化サポート資金「災害枠」に「令和6年12月28日からの大雪による災害」を指定し、同災害の影響により事業活動に支障が生じている県内中小企業者の資金繰りを支援しています。
経済産業省は10市町村に災害救助法が適用されたことを踏まえ、被災中小企業・小規模事業者支援措置を行います。
大雪により被害を受けた中小企業・小規模事業者を対象に、青森県の日本政策金融公庫及び商工組合中央金庫が運転資金又は設備資金を融資する災害復旧貸付を実施するということです。
大雪の影響により売上高等が減少している中小企業・小規模事業者を対象に、信用保証協会が一般保証とは別枠の限度額で融資額100%を保証するセーフティネット保証4号を適用します。
10市町村において被害を受けた小規模企業共済契約者に対し、中小企業基盤整備機構が原則として即日で低利で融資を行う災害時貸付を適用します。
被災者の電力料金支払いに特別措置
東北電力は10日、大雪の被災した人の電気料金の支払いを延長する特別措置を講じると発表しました。
東北電力は大雪で被災した人の去年12月分から今年3月分までの電気料金の支払い期日を、それぞれ1か月延長する特別措置を行います。
対象は災害救助法が適用された青森市、弘前市、黒石市、五所川原市、平川市、藤崎町、大鰐町、田舎館村、板柳町、鶴田町の10市町村で市町村から「り災証明書」の発行を受けるなど被害にあった人です。
特別措置を受けるには電話で申し込みが必要ということです。
申し込みや問い合わせは東北電力のカスタマーセンター0120-066-744で平日の午前9時から午後5時まで受け付けています。
配送の影響
ヤマト運輸は青森市・黒石市・弘前市・平川市・南津軽郡(田舎舘村、大鰐町、藤崎町)・西目屋村で大雪の影響により荷物の配達に遅延が生じているとしています。
このほかの地域でも青森県へ向けて預かる荷物の到着に遅延が発生する可能性があるとしています。
「青森県豪雪災害」とは
青森地方気象台が作成した気象資料によりますと、12 月 26 日に前線を伴った低気圧が発達しながら北日本を通過後、東北地方の上空に強い寒気が流れ込み、29日にかけて強い冬型の気圧配置となりました。
30日は一時的に高気圧に覆われたが、31 日に前線を伴った低気圧が北日本を通過後、1 月 4 日にかけて再び冬型の気圧配置となりました。
このため 12 月 27 日から 1 月 5 日にかけて津軽や上北を中心に断続的に雪が降り、特に12 月 27 日と1月 2 日から 3 日にかけては、局地的に発達した雪雲が流れ込み警報級の大雪となりました。
当該期間中の主な地点の降雪量(積雪差合計)は、酸ケ湯で 243 センチ、青森で164 センチ、弘前で 140 センチとなりました。
この大雪により、除雪作業中の死亡事故等の人的被害が発生したほか、交通障害や農業施設への被害が発生しました。
■12 月として 1 位の記録を更新した観測地点および値
・月最深積雪
弘前 84cm(12月29日) これまでの極値…73cm(2014年12月26日)
酸ケ湯 357cm(12月29日) これまでの極値…297cm(2012年12月27日)
・降雪量(積雪差合計)月合計
酸ケ湯 534cm これまでの極値…528cm(2005年)
■1 月として 1 位の記録を更新した観測地点および値
・月最深積雪
弘前 115cm(1月5日) これまでの極値…113cm(2006年1月29日)