大雨に備え 氾らんした中村川流域を特定都市河川に県内初指定へ むつ市では「土のうステーション」設置
大雨による川の氾濫対策です。県はおととしの大雨で氾らんした中村川流域を今月末にも県内初の「特定都市河川」に指定する見込みです。
中村川はおととし8月の大雨で氾濫し流域の鯵ヶ沢町では、雨水があふれ出す内水氾濫も相まって大規模な浸水被害を受けました。
県などでつくる推進会議は県が国の同意を得て今月末にも中村川流域を「特定都市河川」に県内で初めて指定する見込みと明らかにしました。指定されるのは降った雨が中村川に流れ込む鯵ヶ沢町と弘前市にまたがる範囲です。田んぼなどを宅地に変えるなどの開発行為に対して雨水の貯水や浸透対策が義務づけられるため浸水被害の軽減につながります。
★県土整備部 古市秀徳部長
「中村川流域における流域治水の取り組みが法律に基づくものになりますので一層の対策の加速化が図られるものと思っております」
中村川では現在も災害復旧工事とともに護岸の改修工事などが進められていて2年後の2026年度に完了する見通しです。
★浸水被害を受けた田元金物店 田附俊治さん
「やっぱり早急にやるという意味では良いんじゃないですか 雨の降り方が全然昔と違う すぐ大雨になってどっと水が来るからそういう面からいけば早め早めにやらないと」
★鯵ヶ沢町 平田衛町長
「町は内水対策ということでいま進めています 将来的に砂防災害が発生しないようにしっかりと取り組んでいる」
「特定都市河川」では堤防の改修や河川の改修工事などに国の補助が重点的に配分され、県はほかの河川についても指定に向けた取り組みを進めるとしています。
一方、むつ市では住民が自由に利用できる「土のうステーション」を市役所の各庁舎4か所に設置しました。このうち3年前の大雨で多くの住宅が浸水するなどの被害があった大畑地区では自主防災組織の代表者たちが市の担当者からブルーシートでくるむなど使い方の説明を受けました。土のうステーションにはそれぞれ1袋10キロほどの土のうが60袋設置され、1回につき最大10袋ほどをめどに利用できます。
★大畑町新町町内会自主防災組織 中嶋康夫会長
「町内の皆さんに使い方等を覚えていただいて町内の方が自主的に動けるような体制をこれからとっていきたいなと考えています」
土のうステーションは梅雨時期から台風シーズンが終わる10月末ごろまで利用でき、むつ市は今後も増設していく方針です。