ラケットと鉄で火花を散らす!?全国初出場で躍進の「工業ガールズ」に迫る!【らぶスポ】
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インターハイの全国大会でベスト8の八戸工業女子卓球部。
実習では鉄を削り火花を散らす「工業ガールズ」を紹介します。
全校生徒およそ600人の八戸工業高校。
その9割が男子生徒です。
練習場所の体育館はバドミントン部と半分ずつ。
男子と打ち合っているのは女子卓球部です。
去年8月のインターハイ団体戦で全国ベスト8。
初めて出場した公立工業高校の快挙は大きな話題を呼びました。
その原動力になったのは2年生ながら優勝候補校の3年生ペアにストレート勝ちした馬場未來選手と今瑠愛選手の「みら・るあペア」です。
八戸市出身の馬場選手と黒石市出身の今選手は小学生の頃からライバルとして県大会を戦ってきました。
「みら・るあペア」の強さは、真逆の個性にありました。
★八戸工業高校卓球部 大山幸雄 総監督
「馬場さんの特徴は攻撃力がものすごいところです。特にフォアハンドの威力は県内ナンバーワンだと思います」
「体のバランスがいいです。足から腕に伝わる体のバランスがすごくよくて、手にとにかく伝える力がすばらしいと思います」
「今さんは今度は馬場さんと逆で守備力がとにかくすばらしいところです。どんな球が来ても返します」
「真逆の相性があるもんですから、相手も2種類の考え方をしなければならないのでとてもやりづらいと思います」
攻撃力の馬場選手と守備力の今選手。
2人は互いにこれ以上ない練習相手でもあります。
2人は材料技術科で鉄鋼材料の性質や加工方法を学んでいます。
★材料技術科 2年 今瑠愛さん
「これは『旋盤』といって鉄を削る作業です」
鉄の棒を削り細くする作業の説明をしながらも、手は一定の速度を保ち目は真剣です。
★青森放送 板橋優磨アナウンサー
「一定のリズムで回していると思うんですが早くやったらだめなんですか?」
★材料技術科 2年 今瑠愛さん
「はい!バランスが悪くなる」
完成を前にした今さんは…
★材料技術科 2年 今瑠愛さん
「90点です ちょっとここ残っちゃった。ここまでなんですけど残ってるんですよね…」
★青森放送 板橋優磨アナウンサー
「1ミリもないじゃないですか?」
★材料技術科 2年 今瑠愛さん
「こういうところ気になるんです」
★青森放送板橋優磨アナウンサー
「実習室の前に来ましたがもう音が聞こえていますね」
★材料技術科 2年 今瑠愛さん
「わたしのダブルスパートナーの馬場がいまこちらでガス溶接やってますこちらをお願いします」
★青森放送 板橋優磨アナウンサー
「保護メガネを!大がかりですね失礼します…おお!馬場さんかっこいい火花散らしてますよ!」
こちらは熱を加えて金属と金属を繋げる「ガス溶接」
手元の温度はなんと3000度!
馬場さんは慣れた手つきで金属を繋げています。
★青森放送 板橋優磨アナウンサー
「炎すごく出てるんですけど怖くないんですか?」
★材料技術科 2年 馬場未來さん
「大丈夫でーす♪」
「コツは我慢です。怖いからって離せばミスが出ちゃうのでちゃんと待ってあげることが大事です」
完成して冷ましたものを見せてもらいました。
★青森放送 板橋優磨アナウンサー
「すごい!しっかりくっついてますね」
★材料技術科 2年 馬場未來さん
「(100点満点の)90点…あと10点は全部バラバラなのでそこを均一に全部同じくらいにできればよかった」
「みら・るあペア」のともに90点の自己採点。
2人の向上心は実習の先生も認めています。
★旋盤担当の指導者
「難しい作業でもひとつ教えると自分で工夫したり自分でアレンジしたり自分で考えながら作業するっていうところがよく見られるので成長の度合いが早い子だなって見ていました」
★旋盤・溶接担当の指導者
「微妙なタッチがセンスあるなって思います」
持ち前の向上心で卓球でも実力をつけてきた「みら・るあペア」。
放課後は作業着からユニフォームに着替え2人が中心になってチームを引っ張ります。
今年度4人の1年生が入部し、3年生が抜けたいま部員は全部で6人です。
今月21日に岡山県で開催される全国高校選抜に2年連続出場が決まっている八戸工業女子卓球部。
1年生の中からも、2人が初めて工業ガールズとして出場します。
(県勢は八戸工業と青森商業、弘前実業が出場)
★八戸工業女子卓球部2年 馬場未來キャプテン
「相手がとても強いので最初からみんなで挑戦者で試合を楽しんでリーグ抜け、またそこからランク入り(ベスト8)ができればいいなと思っています」
真逆の個性とその向上心で進化し続ける「みら・るあペア」。
2人が率いる「工業ガールズ」は、再び全国でのベスト8をめざし強豪ひしめく激戦区を戦います。