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9月29日開業!高架で生まれ変わる「JR松山駅」高まる期待と街づくりへの課題

2024年9月11日 17:00
9月29日開業!高架で生まれ変わる「JR松山駅」高まる期待と街づくりへの課題

9月29日、“愛媛らしさ”をちりばめた新しいJR松山駅がいよいよ開業を迎えます。71年ぶりの大改装へ期待が高まる一方、取材では、いまだ見えてこない将来の街の姿に不安の声も聞こえてきました。

和氣アナ:
「新しくできるJR松山駅の西口です。かなり工事が進んできていて、コンコースの部分を覗いてみると天井には大きな丸い構造物も取り付けられています。いよいよ最終段階というところですね」

今の駅舎のベースが完成した、昭和28年9月28日から実に71年。今月、全面的に生まれ変わるJR松山駅です。

駅を中心とした全長2.4キロの区間での高架工事は、仕上げの段階です。高架になって生まれ変わる、松山の新たなランドマーク。

71年ぶり!旧国鉄時代からの改札の風景が一変

これまでと変わるのが、改札です。新しい駅の中央改札と南改札にはあわせて5台の自動改札機を設置。

旧国鉄時代から駅員の手作業だった改札の風景が一変します。

四国で初となるウォークインタイプの有人改札も登場し、より快適な環境で利用客に対応できるといいます。

内装面では県産の杉やヒノキを使った天井に…トイレの壁には、砥部焼のタイル!愛媛らしさが随所にちりばめられています。

また、線路を高架に切り替えることで8か所の踏切が廃止に。

松山市民:
「ここは(道が)狭いので子どもを連れていると危ない。線路が上になってくれた方が安全なのかなと思う」

駅周辺の混雑解消にも期待がかかります。

商業エリアには17店舗が順次オープン予定

そして新しい松山駅の目玉、商業エリアの「だんだん通り」。松山で人気のコーヒー専門店や中華料理店など17店舗が駅の開業に合わせて順次オープン予定です。

そのうちのひとつが…松山市石井地区にあるおにぎりの専門店、「鼓」です。

開店に向けた作業を進めるのは、入社1年目の石川店長。

おにぎり鼓 石川美菜子店長:
「これが出来上がった状態のイメージ図。ここがストッカーとしてここから(おにぎりを)取っていく、私たちが取って提供する形になる。奥が調理場で、ここがカウンターになるのでイートインスペースになる」

「まだ着工してそんなに経っていないので、(工事の進捗は)今、多分半分くらい。9月の半ばに出来る予定」
Q.出来上がった店の様子は?
「まだ見れてない。戦い。これからですね」

鬼北町産の米とスタッフ手づくりの具材が評判の鼓。駅構内での開店に向け、とっておきのプランを用意していました。

石川店長:
「JRでの限定のおにぎりを作るというのを今考えていて、ここ(西石井店)にはないものがJRにはありますよと」

それがこちら、手づくりの塩麹に漬けこんで焼き上げた、愛媛産マダイのおにぎりです。

石川店長:
「これ(タイの身)をほぐすのか、そのまま載せるのかとか色々考えている。タイの皮を目立たせるのか身を見せた方がいいのか。やっぱり見栄えとかも大事なので」

県外から訪れる人に、愛媛の魅力をおにぎりでどう伝えるか…

石川店長:
「ギリギリまで迷おうと思っている。JRの方だといろんな方が観光であったりとかで来られるので、観光の方でも愛媛の松山を地元と思っていただけるように『お帰りなさい』『行ってらっしゃい』と言えるようなお店にしたいなというのが目標」

1日に1万1600人が利用する松山の玄関口にして、交通の要所でもある松山駅。新しい駅舎への期待が高まる一方で…

駅周辺では進まない整備に不安の声も

駅前で12年営業 コーヒースタンド店主:
「『あまり変わってないね』という声は聞く。(西側は)まだ更地で。うーん…(周辺に)お店とかが増えてこないと、期待値がないとなかなか人は動いてくれないんじゃないか」

駅周辺で整備が順調に進んでいるとは言えない状況です。

松山市が広場を整備する西口付近のエリア。今年3月、デザイン案が公開されましたが、これまで駅や高架化のための資材置き場として使われていたため、実際の工事はこれからです。

松山市交通拠点整備課 村上博課長:
「今これ舗装をかけているが、その準備ということで歩行者が通れるように整備している。これを29日までに仕上げて、西口からの歩行者の動線を確保しようとしている」

市は、西口の南北をつなぐ歩道に加え、今年度中にタクシーや一般車が乗り入れる臨時の乗降場を作るなど、駅を利用する人の利便性を確保しながら、段階的に整備を進める方針です。

村上課長:
「市道の駅西南北線。この供用を来年の11月ぐらいを目処に供用する。そうなるとやっとこの西側の広場の整備にかかれる。建物もあったりするので若干時間はかかるが極力早く」

また、旧車両基地跡地に整備を目指す「情報文化交流拠点」について。

市は従来想定していた2000席程度の劇場型ホールのほかに、経済団体などから提言や要望があった5000人規模のアリーナや中・小規模のホールなどの可能性について再検討しています。

今年度末の基本計画策定を目指していますが、完成時期は未定です。

そして今月5日、愛媛県の中村知事を訪ねた、松山市の野志市長。

松山駅東口周辺に計画中の「バスタ」について、新宿のようないわゆる”箱型”でなく、”平面型”とする案を示したほか、駅周辺を含む中心市街地のまちづくりビジョンを説明しました。

野志市長:
「手元にも資料あるんですけど、これを皆さんにご説明するのはちょっと民間の方との調整もありますので。いつどのようにご説明することができるか、また考えていきたいというふうに思っております」

松山の新たな顔として、街づくりの中核を担う施設のひとつとなるJR松山駅。

松山市民:
「(開業は)すごい嬉しい。綺麗になるから。小っちゃい時からJRは使っていた。南予の方から出て来たりする時に。なので松山駅もすごく利用させてもらっていたので変わるのはすごく楽しみ」

東京から女子旅中:
「観光で来る人としては駅が新しいとテンションが上がる。楽しみ、次回来る時が」
「新しくなることでたくさんもっと人が増えると思う。楽しみにしている」

将来へのビジョンが未だ見えてこない中、未来に向けた松山の街づくりが大きな節目を迎えます。