「被害妄想や幻覚などが動機に強く影響」新居浜市で一家3人殺害 被告の精神鑑定医が証言
おととし、新居浜市で一家3人を殺害したとして殺人などの罪に問われている男の裁判員裁判。
きょうは証人尋問などが行われ、被告の精神鑑定を行った医師が「動機の形成過程に、精神疾患が強く影響している」などと証言しました。
この事件はおととし10月、住所不定・無職の河野智被告(56)が、新居浜市で元同僚の岩田健一さんと父親の友義さん、母親のアイ子さんの3人をナイフで刺し殺害したとして殺人などの罪に問われているものです。
きょう行われた証人尋問で、河野被告の精神鑑定を行った医師は、被告を妄想型の精神疾患と診断したとしたうえで、その症状である被害妄想や幻覚などが「動機の形成過程に強く影響している」などと証言しました。
一方、事件当日の河野被告は、犯行現場まで凶器が目立たないように隠して向かっているほか、恨みを抱いていない警察官に対しては、求めに応じ素直に包丁を置くなど、被害妄想の影響はあるものの周囲の状況を判断し行動しているなどと、鑑定結果を説明しました。
これに対し、被告人質問で弁護士から医師の証言内容について聞かれた被告は「ほとんどデタラメで全くの誤診である」などと、診断結果を強く否定しました。
裁判は今月12日に結審し、判決は18日に言い渡されます。