今治の山火事発生から4日目 避難者も消防団員にも疲労の色濃く…生活への影響続く

今治市の山火事は発生からきょうで4日目。懸命の消火活動が続けられるも未だ鎮圧には至っていません。住宅などへの被害は9棟に。延焼エリアも拡大し、住民の不安は続いています。中継です、和気さん。
【中継】
避難所になっています、朝倉公民館にいます。後ろに見えているのが朝倉地区の火災現場なんですけど、夕方になって、煙が風で流れてきたんでしょうか、周囲の風景が霞んできているのが見受けられます。そして風に乗って運ばれてくるにおいもかなり焦げ臭くなっている状況です。
消火活動も地上からは夜通し、日中は自衛隊のヘリなどがひっきりなしに訪れては山に散水するなどし、懸命の消火活動が続いていますが、未だ鎮圧には至っていません。
現在、今治市では、朝倉北など市内7地区、西条市の楠河地区、あわせて3848世帯7494人に避難指示が出ています。
ずっと続いている山火事への不安に、生活や体調などへの影響。そして、支援の動きも広がっています。
山火事の発生から、4日目。
和氣アナ:
「広い範囲で複数か所から未だ煙が立ち上っているのが分かります」
火の勢いは衰えることなく、いまも延焼が続いています。
火災は、23日に今治市長沢の山林で発生し、これまでにおよそ417ヘクタールを焼損。焼損面積はきのうからきょうにかけて、およそ1.9倍に拡大しています。折からの強い風によって「飛び火」しているとみられ、被害は山を越えて、広がっています。
住宅への被害も確認されていて、これまでに、郷桜井地区や桜井地区などで住宅7棟、倉庫2棟がいずれも全焼したとみられています。
消火活動の行方を左右する天気。
気象台によると、今治ではあす日中は曇る時間が長くなり、夜遅くから雨になる見込みです。
火災が長引くにつれ、現地では生活への影響が広がっています。住宅への延焼が確認された桜井地区では…
住民:
「だいぶきょうは収まってきたなと思うんですけど、やっぱりきのうはすごい飛び火で、すごく広がっていたので、怖かったので避難しました」
Q.避難所に?
「避難所じゃなくて親族のところに行かせてもらっています」
住民:
「きのうはとうとう住宅と倉庫が焼けましたでしょ。自分ちの近くにくると怖いなと怖い怖い、そればっかり思っています」
避難指示は、今治市長沢地区や桜井地区、西条市楠河地区など8地区のあわせて3848世帯、7494人に出されています。
県のまとめによると、きょう午後2時半時点でおよそ220人が公民館などに避難しているということです。
住民が今、困っていることは…
桜井地区住民:
「停電がきのうあったので、停電いつするか分からないって言ってるので、それが怖いです。また市内全域で停電するかもしれないとか恐れがあるって言ってるので、電気とかが困るなと思ってます」
桜井地区住民:
Q生活に影響出てますか?
「お水が止まったり電気が消えたり。(水は)すぐ出だしましたけどね。けどきのうはお風呂も入らずに我慢しました」一方、現場では、県や自衛隊のヘリが空から。地上では、きのうから県外からの緊急消防援助隊も加わり、地元の消防などのべ2800人以上が懸命の消火活動にあたっていますが…
今治市消防団 矢野伸也副団長:
「きのうから全方面隊に声がかかったんですけどさすがに今治と朝倉は3日目なんでかなり疲れています。天然の雨でも降ったら抑えてくれると思うんですけど。民家を燃やさんようにという形で、待機している」
長引く活動に、疲労の色が濃くなっている様子です。
滝口記者:
「こちらの交差点では、西条市方面へと向かう道路が通行止めになっています」
幹線道路の国道196号では一時、およそ10キロにわたって全面通行止めとなり、付近では渋滞が発生しました。(15時頃解除)
その国道につながる県道沿いの店。
一福百果 清光堂 益田智恵 代表:
「通行止めになっているせいか非常に空いていますけど、昨日は避難をする方で車列ができていました。ここから通常5分もかからない。自宅に帰るのに20分かかりました」
創業70年、みかんがまるまる入った大福が人気の和菓子店。店の前を通る県道も通行止めとなったきのうときょうは、売り上げが半減していると言います。
益田さん:
「あんまりにも視界が悪いくらいの煙だったのでそれが店舗の中にも入ってきて目は痛いやら、のどは痛いやら」
きのうは停電や断水も発生し、製造や梱包などに支障が出ました。
「店中お手洗いも手洗い場も全部止まりましたので、こうして水が止まると蒸し器も使えません。注文の商品だけは作ってしまおうということで手作業でできるところはやりました」
未だ終わりが見えない、大規模な山火事…
「売り上げが減るのは悲しいことですけど。何よりも火事が広がらない。これ以上広がらないっていうことが一番ではないでしょうか」