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【衆院選注目区】静岡1区…閣僚経験も豊富な自民・前職に野党と無所属の4人が挑む構図で連日激しい論戦

2024年10月22日 17:39
【衆院選注目区】静岡1区…閣僚経験も豊富な自民・前職に野党と無所属の4人が挑む構図で連日激しい論戦

12日間の衆議院選挙もあと5日。静岡1区では、閣僚経験も豊富な自民党の前職に野党と無所属の4人が挑む構図で、連日激しい論戦が繰り広げられています。

静岡市葵区・駿河区の静岡1区には届け出順に立憲の元職、高橋美穂候補。維新の新人、山下洸棋候補。共産の新人、鈴木節子候補。自民の前職、上川陽子候補。無所属の新人、鈴木惇弘候補の5人が立候補しています。

法務大臣や外務大臣を務めた上川さんに4人が挑む構図です。

(自民・静岡1区 前職 上川 陽子 候補)
「今の外交の中で、この手を緩めて行くことになれば、日本も平和国家でずっといることできないのではないかと、政治がしっかりとした覚悟をもって国益を守り存在感を示す必要がある。そして国内にあっては少子高齢人口減少社会で地方を強くする、このこと以外に日本の生き残りはないと」

公示日の第一声で、「地方経済の活性化」を訴えた自民党で前外相の上川陽子候補。しかし、今回の衆院選では全国の自民党議員から要請を受けて応援に走り回っていて、自身の選挙活動ができるのはわずか数日。本人の不在中は、地元市議、県議を中心に後援会や支援団体などが一丸となって組織戦を展開しています。

20日、公示日以来2回目の選挙区入りとなった上川候補。限られた時間の中でも、地域の祭りに顔を出すなどして支援者と触れ合い、支持を呼びかけます。

(自民・静岡1区 前職 上川 陽子 候補)
「子どもみこし、大人みこし、みんなで担いでいただいて盛り上げて、全体に力をみなぎらせるように頑張っていこうではありませんか」

その後の決起大会でも地域外交で「地方の力を高めていく」と力強く訴えました。

(自民・静岡1区 前職 上川 陽子 候補)
「外務大臣として回っておりますと、巴川の方に行かせていただきたいこういう要望もいただいています~こういうこと1つ1つが地方発の経済外交ではないでしょうか」7.20「全国の縮図である静岡が、しっかりと頑張って日本の成長をつないでいくために私は最大限の努力をしていくことが私のこれまでの7期、そして今回、8期目の当選の大きな意味」

その上川候補に挑むのが、野党第一党で立憲民主党の元職 高橋美穂候補。公示日の第一声では、政権交代を強く訴えました。

(立憲・静岡1区 元職 高橋 美穂 候補)
「立憲民主党は、政権をとるつもりで選挙に臨みます。自民党の頭をすり替えるだけでは変わらない」「では本当にこの日本を変えていくには政権交代しかない。私たちは本当にそう思い、一丸となって立憲民主党は活動を行っている」

高橋候補は衆議院議員の公設秘書を経て行政書士として働き、2012年に日本維新の会から北海道の選挙区で出馬し、比例で復活当選。衆議院議員を1期務めました。前回選では地元の静岡1区から国民民主党公認で出馬したものの落選。今回は立憲民主党から公認を得て戦います。

(立憲・静岡1区 元職 高橋 美穂 候補)
「まずはお金の問題に片をつけさせていただきたい。税制改革で増税路線をストップしていく。新しい若者にお金を集中的に投資して第三の産業をこの静岡から日本から生み出していく。科学技術などにお金を入れていく。そうすれば年金制度などの原資の問題も片が付く。私はそう思っている」

地元県議などと街頭演説を行うほか、選挙カーで各地を回りながら有権者の声を聞く中で、政権批判の受け皿として、手ごたえを感じているといいます。

(立憲・静岡1区 元職 高橋 美穂 候補)
「手を真剣に振ってくれて、その方たちのところに行くと、自民党をなんとかしろと、自民党をぶっ潰せとか(自民党に対する批判票というのが、)批判している人たちが私に期待してくれているということがすごくわかって、もう勇気百倍というか頑張らないとと思っている」

同じく自民党の石破政権を批判するのが共産党の新人 鈴木節子候補です。

(共産・静岡1区 新人 鈴木 節子 候補)
「裏金問題をうやむやにして逃げ続ける。そして、物価がここまで高くなって大変なのに、それに実効のある対策をうっていない。外交政策はそのまま引き継ぐ。全て歴代の自民党政治をそのまま引き継ぐだけ、石破氏の独自の政策は何もない」

静岡市出身の鈴木候補は、静岡市議を5期、県議を1期務め、地方行政の経験を生かして国政に挑戦します。地域の団地や公園など細かく周り、街頭演説では、豊かな暮らしやジェンダー平等のためには「働き方の見直し」も重要だと訴えます。

(共産・静岡1区 新人 鈴木 節子 候補)
「ジェンダー平等のためにも労働時間の短縮と収入を増やす。これがないとジェンダー平等はなかなか進まないのでこれをもっとやっていきたい」「世界の女性の中で日本の女性の睡眠時間が一番短いこんな労働、働き方、変えようではありませんか。日本共産党の提案は働く時間を短縮する収入をもっと引き上げる、こうした提案を行っています」

また、憲法9条をモチーフにしたバッジを身に着け、今の政権が進める「軍事費増強」の危険性を指摘し、平和を守る外交努力をするべきなどと強く訴えました。

一方、女性候補が多い選挙区で、男性で33歳と一番若い、日本維新の会の新人 山下洸棋候補。

(維新・静岡1区 新人 山下洸棋 候補)
「今の自民党はたるんでいると思う。だからこそ政策担当能力のある野党が必要」「裏金問題、政治と金の問題終止符をつけるためにも、しっかりと政権を担える反対だけする野党ではなくて、しっかりと対話をなせる、こういう野党が必要だと思っているんです」

山下候補は、元新聞記者で衆議院議員秘書の経験もあり、現在は2人の子どもを育てる父親です。前回選では、静岡6区から出馬して落選。今回は地元である静岡1区で再び国政に挑戦します。街頭演説では、安全保障に触れたほか、減税や社会保障の負担を減らし現役世代の手取りを増やすことなどを訴えています。地元の商店街を歩いてチラシを配り、途中、声をかけられる場面も。

(維新・静岡1区 新人 山下洸棋 候補)
「若者や現役世代に向けての政策が多いので、そこに向けて政策を訴えていきたい、高齢者の皆さんも安心して暮らせる世の中に、私たち現役世代が引っ張って高齢者の皆さんを支えていく、このことも伝えたい」

無所属で新人の鈴木惇弘候補は薬剤師で、候補者の中で最年長の82歳です。

(無所属・静岡1区 新人鈴木 惇弘 候補)
「(立候補の)理由は、今のままではどうしようもないなと思ったということ」「汗水たらして働いている人たちが税金を払って上の人たちは桁が違うものね。それでいいと思う?」「日本の県民市民、国民の将来のためにこのまま黙っているのは許せない、自分にとって」

鈴木候補は、「今の政治の体質を変えるべき」選挙戦には「『家宝は寝て待て』の思いで挑みたい」と話しています。